急性咽頭炎の基礎知識
POINT 急性咽頭炎とは
急性咽頭炎はのどに炎症が起こった状態です。原因は感染によるものが多いですが、感染以外によるものも考えられます。主な症状はのどの痛み・発熱・だるさ・食欲低下・鼻水・咳・リンパ節腫脹・筋肉痛・飲み込みにくさなどです。 症状の程度や経過を踏まえて、血液検査や細菌検査などから総合的に診断されます。詳しい検査は行わないで診断されることも少なくありません。治療は原因となっている病気に即したものが行われます。急性咽頭炎が心配な人や治療したい人は、小児科・内科・耳鼻咽喉科・感染症内科を受診して下さい。
急性咽頭炎について
- 鼻や口の奥を咽頭と言い、咽頭に起こった
炎症 を咽頭炎という ウイルス や細菌 などの感染が原因- 溶連菌による感染が原因で強い症状が出ていれば
抗菌薬 を用いて治療する- 抗菌薬の使用の要否を判断するにはセンタークライテリア(Centor criteria)をもとに作られた以下の基準がある
1.38℃以上の発熱(+1点)
2.咳がないこと(+1点)
3.
0-1点:溶連菌
急性咽頭炎の症状
- 主な症状
- のどの痛み
- だるさ
- 頭痛
- 発熱
- くしゃみ
- 鼻水
- 咳
- その他の症状
リンパ節 の腫れ- 筋肉痛
- 食欲不振
発疹 - 嚥下困難(飲み込みにくい)
- 白い斑点のあるのどの
発赤 - 吐き気
急性咽頭炎の検査・診断
急性咽頭炎の治療法
細菌 が原因の場合の治療感染症 が再発したり悪化しないように抗菌薬 を服用- ペニシリン系抗菌薬 など
ウイルス が原因の場合の治療- 以下に述べるような
対症療法 のみ
- 以下に述べるような
- 対症療法
- 安静
- 解熱鎮痛薬を服用
- 水分を摂取
- 加湿器を利用してのどを保湿 など
- 予防、再発防止のため気を付けること
- こまめな手洗いとうがい
- 食べ物や飲み物、食器を共用しない
- 病気の人との不必要な接触を避ける
急性咽頭炎の経過と病院探しのポイント
急性咽頭炎が心配な方
急性咽頭炎は、いわゆる「のどかぜ」の一種です。かぜ(急性上気道炎)の中でものどの症状が強く、発熱に加えて飲み込む時の痛みやのどの腫れが特徴的です。
急性咽頭炎は大きく二種類に分かれます。ウイルスが原因のものと、細菌(溶連菌など)が原因のもので、特に医療機関を受診する意義があるのは溶連菌という細菌が原因となるもの(溶連菌性咽頭炎)です。詳しい症状については溶連菌性咽頭炎のページも参考になるかと思いますが、38度以上の高熱があること、咳がほとんど無いこと、のどが腫れて痛みがあることなどが特徴です。
一般的なかぜ(急性上気道炎)であれば病院を受診せずに自宅で安静にするという選択肢も十分ありますが、溶連菌性咽頭炎の場合には早期に抗生物質を使用すると治るまでの期間を短縮させ、また周囲へ感染を広げるのを予防することができます。先述した3つの症状(高熱、咳なし、のどの腫れ)に全て該当するかどうかを受診の目安にするというのも一つの考え方です。特別な検査器具が必要な病気ではありませんので、受診の際には一般的な内科のクリニックで問題ありません。
急性咽頭炎でお困りの方
急性咽頭炎は、先述の溶連菌性咽頭炎を除いては薬で治すことができません。クリニックを受診してつらい症状がある中で診察を待つのではなく、自宅で様子を見るということも選択肢の一つです。対症療法として熱冷ましや咳止めを使用することが目的であれば、医療機関を受診するよりもスーパーやコンビニエンスストアで購入できる市販の医薬品で様子を見る(セルフメディケーション)方が負担が少ないかもしれません。病院の薬(処方せん医薬品)と市販の薬(OTC)では、前者の方が効果が高いという分野と、どちらでも差がないという分野があります。かぜ薬については、(病院の薬と比べたときに)市販薬であっても効果や成分に実質的な差がありません。
病院で処方される医薬品の成分は、熱冷ましや頭痛関節痛に対するものであればアセトアミノフェンやロキソプロフェン、咳止めであればデキストロメトルファンといったものがあります。市販薬でもこれらの成分を含むものが多くありますので、市販薬を選ぶ際の参考にされてみてください。ここに挙げたのはあくまでも一部の例であり、これ以外の成分であってももちろん効果があります。