きゅうせいけつまくえん
急性結膜炎
結膜(まぶたの裏側と、白目の部分)が炎症を起こした状態
3人の医師がチェック 95回の改訂 最終更新: 2018.10.22

急性結膜炎の基礎知識

POINT 急性結膜炎とは

結膜はまぶたの裏側と白目の部分のことです。急性結膜炎は結膜に炎症が起こる病気のことで、目が充血したり、目やにがでたり、自然と涙がでたりします。主な原因はウイルスや細菌が原因の感染性結膜炎と花粉やダニが原因のアレルギー性結膜炎です。感染性結膜炎には流行性結膜炎や咽頭結膜熱(プール熱)、急性出血性結膜炎があります。診断を受けるのに、検査は必要ではなく、症状から診断されることが多いです。原因に合わせて、炎症を抑える点眼薬や抗菌薬が含まれた点眼薬、アレルギーを抑える点眼薬などが用いられます。予防にはこまめに手洗いをすることや感染者とは別のティシュやタオルを使うなどが重要です。急性結膜炎が疑われる人は眼科を受診してください。

急性結膜炎について

急性結膜炎の症状

  • 結膜炎の症状
    • 結膜が充血する
    • 目やにが出る
    • 涙が自然に出る
    • 目の違和感や痛みを感じる
  • 咽頭結膜熱プール熱)では喉の痛みや発熱も出現する

急性結膜炎の検査・診断

  • 通常は、検査などを行わず、症状から診断される

急性結膜炎の治療法

  • 感染性結膜炎の治療
    • 炎症薬点眼
      • 炎症を抑えるための目薬
    • 抗菌薬点眼
      • ニューキノロン系抗菌薬
      • セフェム系抗菌薬
  • アレルギー性結膜炎の治療
    • アレルギーを抑える薬の点眼
      • ヒスタミン
      • ステロイド薬
  • 予防、再発予防方法
    • 感染性では、感染を予防するために以下のことが大切
      • こまめに手を洗う
      • 目をこするときはティッシュなど使い捨てのものを使う
      • 洗顔後は清潔なタオルを使う
      • 家族内で家族を感染させないように、お風呂に入るのは出来るだけ最後にする
  • 長期的な経過
    • 途中で治療をやめると、まれに角膜が濁って視力が落ちることがあるため、点眼などの治療を続けるようにする
    • 流行性角結膜炎咽頭結膜熱に関して学校保健安全法で規定されており、感染の恐れがある期間は登校禁止となる
      • 流行性角結膜炎:病状が良くなって、診察した医師が感染性がなくなったと判断したら出校可能
      • 咽頭結膜熱:喉と目の症状がなくなってから2日経ってから出校可能
    • 感染を広げない観点から、出勤に関しても学校保健安全性に準じて出勤停止期間を考えることが望ましい

急性結膜炎に関連する治療薬

副腎皮質ホルモン(眼科用外用薬)

  • 抗炎症作用や抗アレルギー作用によって眼瞼炎、結膜炎、角膜炎などの炎症性疾患や手術後の眼の炎症などを抑える薬
    • 眼の炎症性疾患はアレルギーや外傷など何らかの原因によって炎症が起こっている状態
    • 副腎皮質ホルモン(ステロイド)は抗炎症作用や免疫反応を抑える抗アレルギー作用などをあらわす
    • 本剤は副腎皮質ホルモンを元にして造られた薬剤成分を配合した点眼用製剤
  • 製剤によっては点眼用以外の用途(点耳用や点鼻用)でも使用するものもある
副腎皮質ホルモン(眼科用外用薬)についてもっと詳しく

急性結膜炎の経過と病院探しのポイント

急性結膜炎が心配な方

急性結膜炎は、眼(結膜)で炎症が生じている状態です。結膜炎では目やに、充血といった症状が出現しますが、似たような症状を呈する病気は他にもあるため、ご自身で急性結膜炎だと自己診断するのは難しい場合もあるでしょう。ウイルス性か細菌性か、アレルギー性かによっても治療が変わってきますので、ご心配の場合はまず一度お近くの眼科クリニックを受診して診察を受けることをお勧めします。眼科の中ではとてもよくある疾患ですので、大病院や専門病院でなければ診断がつけられないということはありません。

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急性結膜炎でお困りの方

目薬の抗生物質(抗菌薬)を使用するのが結膜炎の中でも細菌性結膜炎の基本的な治療です。また、清潔でない手で眼をいじると細菌感染の元となりますので、なるべくこすらないようにすることに加えて手洗いに努めて手や指を清潔に保つようにしましょう。

結膜炎の原因にもよりますが、ウイルス性や細菌性といった感染性のものであれば多くは1-2週間で治ります。一方でアレルギー性のもので例えば花粉症などは、花粉が飛散し終わるまで症状が改善しません。感染性のものについては、高齢者、乳幼児、糖尿病のある方では長引くこともありますが、適切な治療を行っても改善が見られない場合には、別の病院を受診するのではなく、出来る限り最初と同じ医療機関を再診するようにしてください。「この薬の効果がなければ次はこう考える」という二の手、三の手がある中で効く可能性の高いものから順に治療を行っていきますし、最初の時点からの眼の様子の変化が診断の上で重要なことが多いためです。

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