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かぜ(急性上気道炎)

かぜ(急性上気道炎)の基礎知識

かぜ(急性上気道炎)とは?

  • 感冒・かぜ症候群・急性上気道炎と呼ばれることもある 
  • 上気道(鼻・のど)にウイルスが感染し、症状を起こしている状態の総称
    • 下気道(気管支や肺)に感染が起こっている気管支炎肺炎はかぜに含まないとされる
  • かぜの原因となる主なウイルス
    • ライノウイルス
    • コロナウイルス
    • パラインフルエンザウイルス
    • RSウイルス
    • インフルエンザウイルス
    • アデノウイルス
    • ヒトメタニューモウイルス
  • 空気感染飛沫感染接触感染による
    • 感染後1-3日後に症状が出始める
  • 年間を通してみられるが、初秋から晩春にかけて多い
  • 幼児は1年間に平均6-7回かぜをひく
    • 多い子では1年間に12回以上かぜをひく
    • 成長と共に減少し、成人期には平均2-3回
  • 生後1年以内に集団生活を始めた乳幼児の方がかぜをひく確率が高くなる

症状

  • 主な症状
    • のどの痛み
    • 鼻水・鼻づまり
    • 咳(約30%)
  • のどのちくちくする感じから始まり、鼻水・鼻づまりが続く
  • 全身症状として発熱や頭痛がみられることもあるが、程度は強くない
  • 2-3日で症状のピークを迎えて、約1週間続く
    • 約10%では2週間続く

検査・診断

  • 経過や症状から診断するものであり、診断に検査は不要
    • 他に病気が隠れていないか確認するために検査が必要になることもある
  • 血液検査:全身の状態を確認する
  • 細菌検査:血液・尿などの細菌検査を必要に応じて行う

治療

  • 基本的に治療を必要とせず、自然に治る
  • ウイルス感染が原因なので、抗菌薬抗生物質、抗生剤)は効かない
    • 抗菌薬は細菌感染にしか効果がない
  • 症状がつらい場合には対症療法(症状を和らげる治療)を行う
    • 効果と副作用のバランスを考えると、使える薬の種類は多くない
      ・発熱・痛みに対してはアセトアミノフェン(商品名:カロナール、コカールなど)
      ・咳に対してはチペピジン(商品名:アスベリン)やデキストロメトルファン(商品名:メジコン)などを使用する
       ・ハチミツが同等の効果と言われている(ただしハチミツは1歳未満の乳児には与えてはいけない)
      ・鼻水に対してはヒスタミン薬を使う場合がある
       ・小児では副作用など考慮しつつシプロヘプタジン(商品名:ペリアクチン)など使用することがある
       ・妊婦や授乳婦に対してはクロルフェニラミンマレイン酸塩(商品名:ポララミンなど)などを用いることもある
    • 漢方薬が有効な場合もある
  • 小児における解熱剤(アセトアミノフェン)の使い方
    • 解熱剤はあくまでも一時的に熱を下げるもの
      ・かぜで熱が出るのは生体がウイルスと戦っている証拠であり、完全に平熱まで下げるのは不可能かつ意味がない
      ・一時的に熱を下げることで体力の回復や水分・食事摂取を可能にすることが目的
    • 熱の高低ではなく、本人の状態で使い分ける
        例)39℃でも比較的元気で水分・食事がしっかりとれていれば無理に使う必要はない
          38℃でもぐったりして水分がとれないようであれば、積極的に使う
  • 予防には手洗いとマスク装着が有効

かぜ(急性上気道炎)に関連する治療薬

アセトアミノフェン製剤

  • 脳の体温調節中枢や中枢神経などに作用して熱を下げたり、痛みを抑えたりする薬
    • 発熱は体内で発熱の情報が脳の体温調節中枢に伝達されて生じる
    • アセトアミノフェンは体温調節中枢に作用し、熱を体外へ逃がす作用を増強する
    • アセトアミノフェンは発熱や痛みの情報を伝える物質を阻害する作用をあらわす
アセトアミノフェン製剤についてもっと詳しく≫

鎮咳薬(非麻薬性)

  • 咳を引き起こす咳中枢の抑制作用や気道を広げる作用などにより咳などの呼吸器症状を緩和する薬
    • 咳はウイルスなどの異物や痰を体外へ排出しやすくする生体内防御反応だが、体力の消耗や元々の呼吸器疾患の悪化などを引き起こす場合もある
    • 咳は延髄の咳中枢からの指令によりおこるが、気管支炎症などにより気道が狭くなると咳がおきやすくなる
    • 本剤は咳中枢を抑えたり、気管支を拡張させるなどの作用をあらわす
鎮咳薬(非麻薬性)についてもっと詳しく≫

去痰薬

  • 病原体や異物などを痰や鼻汁によって体外へ排出しやすくすることで気管支炎症喘息慢性副鼻腔炎などによる症状を和らげる薬
    • 痰や鼻汁には粘性の分泌物が含まれ、粘膜保護や異物をからめとり排出する作用などがある
    • 粘性の分泌物が気道や鼻腔でつまると咳や蓄膿症などを誘発する場合もある
    • 本剤は気道分泌促進作用、粘液などの排出促進作用などをあらわす
  • 本剤は薬剤の作用などにより、気道粘液分泌促進薬や喀痰溶解薬などに分けられる
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鎮咳・去痰薬

  • 咳を抑え、痰を吐き出しやすくするなどにより気管支炎などによる呼吸器症状を和らげる薬
    • 咳はウイルスなどの異物や異物をからめとった痰を体外に排出しやすくなる生体防御反応
    • 咳によって体力の消耗、不眠など体への負担が増す場合もある
    • 本剤は咳を抑える鎮咳作用と痰を排出しやすくする去痰作用をあらわす
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鎮咳薬(コデイン類含有製剤)

  • コデインによる咳中枢への作用などにより咳を抑え呼吸症状などを改善する薬
    • 咳はウイルスなどの異物や異物をからめとった痰を体外に排出しやすくする生体防御反応だが、体力の消耗や不眠などを引き起こす場合もある
    • コデインは中枢や末梢神経への作用により鎮咳作用、鎮痛作用、消化管運動抑制作用などをあらわす
    • 本剤はコデイン又はジヒドロコデインを含有する製剤となる
  • 鎮咳目的の他、疼痛緩和や激しい下痢症状緩和目的で使用する薬剤もある
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かぜ(急性上気道炎)の経過と病院探しのポイント

この病気かなと感じている方

特に子どもが風邪を引いた場合は、多くの親御さんは心配になると思います。病院に受診するべきかどうかのちょっとした判断ポイントや自宅での過ごし方をご紹介します。

・熱が高くても、それだけで頭に影響が出ることはまずありえません。42度を超えて熱が上がらない限りは、そのような心配はしなくてよいです。

・体温が40度でも元気に遊んでいる子どももいて、その場合は解熱剤を使用しないで様子を見ても問題無いです。熱に対しては薬を使う代わりに、太い血管の走っているところ(首や脇の下、足の付け根)を冷たいタオルなどで冷やすことで楽になることがあります。

・熱があるのに体を温め過ぎると、熱がこもって体温が更に上がって子供は辛く感じてしまいかねないです。熱があるときも、普段と同じか、普段より一枚羽織りを取るくらいのつもりで、本人が寒く感じない程度に調整してあげるのが良いでしょう。

・おでこを冷やしても体温を下げる効果はほとんどないですが、子供が安心する意味での精神的効果はあります。ただし、1歳未満の乳児では、おでこに貼るタイプの冷却材がずれて口を塞ぎ窒息した事故の報告もあるため、まめに子どもの様子を見るような配慮が必要です。

子どもの風邪では発熱だけであれば問題ないことが多く、本人の元気具合が非常に大事な判断材料になります。日ごろ子どもをよく見ているのは親御さんですので、いつもよりぐったりしているなと思ったら一度病院にかかっても良いかもしれません。


この病気でお困りの方

かぜ症状でお困りの方は内科、耳鼻科、小児科のクリニックの受診をお勧めします。急性上気道炎は、いわゆる「かぜ」のことですから、専門医の診療を必要としません。急性上気道炎で医療機関を受診する意義があるのは、細菌が原因となる一部の上気道炎(溶連菌性咽頭炎)、そしてインフルエンザ(の一部)で、これらはいずれも急性上気道炎の一種です。

急性上気道炎は、問診と診察で診断をする病気です。採血やレントゲンは、他の病気ではないことを確かめるために使うことができるかもしれませんが、それ以外の意味では診断の参考になりません。

急性上気道炎の中で、一部の病原菌に対しては専用の検査キットを使用することで診断がつけられるものがあります。

・溶連菌

インフルエンザウイルス

・小児の場合にはアデノウイルス

・小児の場合にはRSウイルス

上の2種ないし4種の病原体は、鼻の中やのどの奥に細い綿棒を入れて粘液をこすりとり、それを用いると5分から15分ほどで検査の結果が分かります。診断の精度はあまり高くありませんので、あくまでも問診と診察が基本ですが、参考のために行われることのある検査です。特に小児科のクリニックなどでは、このような検査キットを準備しているところが多いでしょう。

急性上気道炎のほとんどは抗菌薬抗生物質、抗生剤)が効かず、薬で治すことができません。呼吸器感染症に関するガイドラインなどでは、かぜに抗菌薬を処方するべきでない旨が明記されています。

かぜの対症療法として熱冷ましや咳止めを使用することが目的であれば、医療機関を受診するよりもスーパーやコンビニエンスストアで購入できる市販の医薬品で様子を見る(セルフメディケーション)方が負担が少ないかもしれません。

病院で処方される薬と市販の薬では、かぜ薬に限って言えば効果にあまり差がありません。

病院で処方される医薬品の成分は、熱冷ましや頭痛関節痛に対するものであればアセトアミノフェン(商品名:カロナールなど)やロキソプロフェン(商品名:ロキソニンなど)、咳止めであればデキストロメトルファン(商品名:メジコンなど)といったものがあります。市販薬でもアセトアミノフェンやロキソプロフェンの成分を含むものが多くありますので、市販薬を選ぶ際の参考にされてみてください。ただし、小児には使えない薬もあるため、説明をよく読んで、子供に飲ませてもいいことを確かめた上で使用してください。

ここに挙げたのはあくまでも一部の例であり、これ以外の成分であってももちろん効果があります。

一部の急性上気道炎の後に、咳が長引くことがあります。通常のかぜでは1週間程度で症状が治まりますが、一定の割合で、長くて2か月ほど症状が残るものがあります。このような場合、薬で治療することはなかなか難しいのですが、自然の経過で改善しますので、適宜咳止めなどを使用しながら根気強く付き合っていく必要があります。





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