かぜ(きゅうせいじょうきどうえん)
かぜ(急性上気道炎)
鼻やのど(上気道)が炎症を起こしている状態の総称。原因はほとんどがウイルス感染で、抗菌薬は効果がない
26人の医師がチェック 300回の改訂 最終更新: 2018.02.09

Beta かぜ(急性上気道炎)のQ&A

    かぜ(急性上気道炎)の原因、メカニズムについて教えて下さい。

    一般的に「ウィルス性急性上気道炎」のことを「風邪」といいます。その名の通り、ばい菌のなかでもウィルスと呼ばれる非常に小さな病原体によって引き起こされます。ウィルスは細菌とは異なり、人間の細胞に寄生して繁殖します。一般的に細菌は体の一箇所で増殖し病原性を表しますが、ウィルスは様々な場所で炎症を引き起こすと言われます。上気道とは口・鼻~気管支までをあらわし、鼻炎・咽頭痛・咳などそれぞれの場所に応じた症状を引き起こすのが特徴です。

    かぜ(急性上気道炎)と 細菌性感染症の違いについて教えて下さい。

    風邪なのか、それ以外の細菌感染かを判断する根拠は、鼻炎や咽頭痛、咳など異なった場所で同時に炎症が起きているかどうかをみます。咽頭痛だけの場合や、発熱だけの場合は「風邪らしくない」ので詳しい検査を行います。細菌の場合は抗生物質が必要になることがありますが、ウィルスは一部を除き自分の免疫でしか治せません。そのため、ウィルス感染に抗生剤は必要ありません。ウィルス感染と細菌感染は非常に似た症状がでる場合も多く、区別が難しいこともあります。

    かぜ(急性上気道炎)は、どんな症状で発症するのですか?

    一般的には鼻水・咽頭痛・咳・発熱が認められます。初期や軽症の場合、また免疫を抑える薬や解熱鎮痛剤を普段から内服されている方は症状が出にくいこともあります。

    かぜ(急性上気道炎)が重症化すると、どのような症状が起こりますか?

    風邪で弱っているところに細菌感染が合併(二次感染)し重症化することもあります。急性上気道炎が悪化し、気管支炎や肺炎まで進行する場合もあります。

    かぜ(急性上気道炎)は、どのように診断するのですか?

    風邪・急性上気道炎に対する特徴的な検査項目や診断キットは存在しません。症状の多彩性などの診察所見、周囲の流行状況などから判断します。しかし、残念ながら風邪に対する治療を行い、改善しないことで、再度精査したところ違う疾患と分かることもあります。非常に有名な疾患で頻度も多いですが、断定が難しいこともまれにある疾患です。

    かぜ(急性上気道炎)と診断が紛らわしい病気はありますか?

    発熱を伴う疾患はすべて原因が何か考える必要があります。一部の自己免疫性疾患は風邪をひいたあとに発症することもあり判断が難しいこともあります。日常診療で遭遇する間違えやすいものは、細菌性中耳炎・細菌性扁桃炎・細菌性肺炎などです。それぞれ風邪でも同様の症状を伴いますが、その臓器で特に症状が強い場合は細菌感染を疑い検査することもあります。

    かぜ(急性上気道炎)の治療法について教えて下さい。

    風邪の治療法は「対症療法」です。風邪を引き起こすウィルスを死滅させる薬は現在の医学で発見できていません。風邪を治す薬が発見されればノーベル賞がもらえると言われています。

    風邪の様々な症状を抑える薬を処方します。代表的なものとしては去痰薬(痰を出しやすくする:ムコダイン・ムコソルバンなど)、鎮咳薬(咳をおさえる:メジコン・アストミン・アスベリンなど)、解熱鎮痛薬(ロキソニン・カロナール・アンヒバなど)を使用します。一般的には自然に治りますが必要があれば前述した薬や、その他の薬を追加します。

    かぜ(急性上気道炎)の治療には抗生物質を使用しますか。

    抗生物質は一般的に細菌感染に使用するため、ウィルス感染の風邪には本来必要ありません。使用することで不要な副作用が出現することもあります。しかし、風邪と診断された場合でも抗生物質が処方に含まれていることがあります。それは、細菌感染が合併している可能性を考慮した医師の判断か、一部の抗生物質(マクロライド系:クラリス・ジスロマックなど)のもつ気管支浄化作用を期待したものと思われます。

    かぜ(急性上気道炎)に関して、日常生活で気をつけるべき点について教えて下さい。

    風邪は飛沫感染で他者にうつる病気です。自分のためのみならず、他者にうつさないように仕事や学校を休むことが大切です。普通の風邪であれば数日~1週間以内に完治します。その後も感染後咳嗽といって数週間は咳のみが持続する場合がありますが、その他の症状は完治するはずです。発熱など持続する場合には風邪ではない可能性があるので医療機関を受診しましょう。

    かぜを治す注射はありますか

    よくされる質問です。風邪は自分の免疫で治すものであり、風邪が治る点滴は存在しません。経口摂取ができないほど弱っておられる方に点滴で水分と栄養を補給することがありますが、点滴で得られるカロリーは多くてオニギリ1個分です。


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