ほるねるしょうこうぐん
ホルネル症候群
眼や顔面に向かう交感神経の経路が障害されることで起こる症候群
1人の医師がチェック 8回の改訂 最終更新: 2026.07.10

ホルネル症候群の基礎知識

POINT ホルネル症候群とは

眼や顔面に向かう交感神経の経路が障害されることで起こる症候群です。片側の瞳孔が小さくなる縮瞳、上まぶたが軽く下がる眼瞼下垂、顔面の発汗低下などが特徴です。原因は脳幹梗塞・脊髄の病気・肺尖部腫瘍、頸動脈解離、外傷、手術後の影響など幅広く、病気そのものというより原因疾患を示すサインとして重要です。診断では、瞳孔やまぶたの左右差、発汗の違い、神経症状、頭痛や頸部痛の有無を確認し、必要に応じて点眼検査、頭部・頸部・胸部の画像検査を行います。治療では、ホルネル症候群そのものではなく、原因となっている病気や障害への対応が中心となります。

ホルネル症候群について

  • 眼に向かう交感神経経路の障害により、縮瞳、軽度眼瞼下垂、発汗低下をきたす症候群
  • 眼や顔面に向かう交感神経の経路が障害されることで起こる
  • 片側の縮瞳、眼瞼下垂、顔面発汗低下を特徴とする
  • 脳、首、胸部、頸動脈などのどこかに原因があることを示す症状
  • 障害された部位によって、中枢性、節前性、節後性に分類される
  • 中枢神経疾患:脳幹梗塞脳腫瘍多発性硬化症など
  • 節前性障害:肺尖部腫瘍縦隔腫瘍、胸部手術、外傷など
  • 節後性障害:内頸動脈解離、頸動脈瘤、海綿静脈洞病変、頭頸部外傷など
  • 瞳孔を広げる筋肉、上まぶたを持ち上げる筋肉、顔面の発汗に関わる神経の障害

ホルネル症候群の症状

  • 縮瞳
    • 障害側の瞳孔が小さくなる
    • 暗い場所で左右差が目立ちやすい
    • 瞳孔が広がりにくいため、暗所で違和感を自覚することがある
  • 眼瞼下垂
    • 障害側の上まぶたが軽く下がる
    • 完全に目が開かないほど強い下垂ではなく、軽度であることが多い
    • 下まぶたがわずかに上がり、眼が小さく見えることがある
  • 発汗低下
    • 障害側の顔面で汗が出にくくなる
    • 病変の部位によって、顔全体、額のみ、または発汗低下が目立たないことがある
    • 顔のほてりや左右差として気づかれることがある
  • 眼球陥凹様
    • 眼瞼下垂と下眼瞼の位置変化により、眼が奥に入ったように見える
    • 実際の眼球陥凹ではなく、見かけ上の変化であることが多い
  • 原因疾患に伴う症状
    • 脳幹病変ではめまい、ふらつき、嚥下障害、しびれ、運動麻痺など
    • 内頸動脈解離では急な頭痛、頸部痛、顔面痛など
    • 肺尖部腫瘍では肩や腕の痛み、咳、体重減少など

ホルネル症候群の検査・診断

  • 問診
    • いつから左右差が出たか、急な発症かどうかの確認
    • 頭痛、頸部痛、眼痛、外傷、手術歴、神経症状の確認
    • 小児では出生時の外傷、眼の色の左右差、全身症状の確認
  • 身体診察
    • 瞳孔径の左右差、暗所での瞳孔反応、眼瞼下垂の確認
    • 顔面発汗の左右差の確認
    • 眼球運動、視力、視野、神経学的所見の評価
  • 画像検査
    • 頭部および頚部のMRI検査、胸部CT検査などを原因検索に応じて行う
    • 急性発症、頭痛、頸部痛を伴う場合は内頸動脈解離を念頭にして検査を行う
    • 脳幹病変脊髄病変、海綿静脈洞病変などの確認

ホルネル症候群の治療法

  • 原因疾患への治療
    • ホルネル症候群そのものへの特効薬ではなく、原因疾患の治療が中心
    • 脳梗塞、頸動脈解離、腫瘍、外傷、術後変化などに応じた治療
    • 原因が解決すると症状が改善することがある
  • 緊急性のある原因への対応
    • 急な発症、頭痛、頸部痛を伴う場合は内頸動脈解離を考えた迅速な評価を行う
    • 脳幹梗塞脳出血などが疑われる場合は救急対応が必要
    • 肺尖部腫瘍や縦隔腫瘍が疑われる場合は呼吸器内科で詳しく調べる
  • 脳血管障害への治療
    • 脳梗塞や脳幹病変に対する急性期治療
    • 血栓療法、危険因子管理、リハビリテーションなど
  • 医原性・外傷性の場合
    • 手術後や神経ブロック後に一過性に起こることあり
    • 経過観察で改善する場合もあるが、症状や原因に応じた確認が必要
  • 眼瞼下垂への対応
    • 症状が残り、視野や整容面で問題がある場合に眼瞼手術を検討
    • 原因疾患が安定した後に判断

ホルネル症候群のタグ

からだ