いぶつごいん
異物誤飲
食物以外のものを誤って食べてしまうこと。多くは自然に排泄されるが、時に緊急での治療が必要
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最終更新: 2024.12.23
異物誤飲の基礎知識
POINT 異物誤飲とは
異物誤飲とは、食物以外のものを誤って食べてしまうことです。「誤飲(ごいん)」は食道や胃など消化管に異物が入ることを指し、「誤嚥(ごえん)」は気管や肺など呼吸器に異物が入ることを指します。異物誤飲は2-3歳までの乳幼児が物珍しさに異物を食べることや、高齢者が義歯を飲み込むこと、認知症で異物を食べることなどが主な原因です。症状としては、異物が食道に留まっている間は、喉や胸の違和感や痛みがしばしば出ます。異物が胃まで進んだ人では無症状になることが多いですが、異物の種類や大きさによっては吐き気や腹痛を伴うこともあります。実際に異物誤飲が目撃されている場合、診断は容易ですが、そうでない場合にはレントゲン(X線)検査、内視鏡検査などで診断されます。食道で停滞している異物は内視鏡で取り除き、胃まで進んでいる場合には様子をみることが原則です。ただし、胃にあっても速やかに摘出すべき異物もありますし、そうでなくても長期間停滞する異物は摘出した方が良いと考えられます。異物誤飲が心配な人は救急科・小児科・消化器内科などを受診してください。受診すべきか判断に迷う人は医療機関に電話相談する、中毒110番電話サービスに相談する、などしてください。
異物誤飲について
異物誤飲の症状
異物誤飲の検査・診断
- 実際に異物誤飲が目撃されている場合や自覚している場合には診断は容易
- 状況だけで診断ができない場合などでは以下のような検査を行う
レントゲン (X線 )検査透視 検査上部消化管内視鏡検査 (胃カメラ ):治療も兼ねる気管支内視鏡 検査:気道異物に対する治療も兼ねる
異物誤飲の治療法
- 異物誤飲は、誤飲したものが何でどこにあるか、誤飲してからどれくらい時間が経っているかによって治療方針が異なる
- 食道異物
- 食道でひっかかった異物は、食道に穴を空けることがあるので、無
症状 であっても基本的に内視鏡 で摘出が必要
- 食道でひっかかった異物は、食道に穴を空けることがあるので、無
- 胃内異物
- 多くは自然に便となって排泄されるので、様子をみることが基本
- ただしボタン電池は胃内で化学反応を起こし危険なので、速やかに内視鏡で摘出する
- 1週間以上にわたって停滞している異物も、内視鏡で摘出することが多い
- 腸内異物
- ほとんどが自然に排泄され、また内視鏡での摘出も困難なので、様子をみることが基本
- 気道異物
- 肺炎や窒息の原因になるので、速やかに内視鏡で摘出することが基本
- 家庭での対処法
- 判断に困った時には中毒110番や医療機関に問い合わせるなどする
- 異物誤飲や気道異物は予防が重要
- 乳幼児の手が届くところにタバコやコインなどを置かない
- おもちゃは誤飲の危険がないサイズのものを与える
- ピーナッツなど硬い豆類は家族みんなで控える など