どらいあい(かんせいかくけつまくえん、るいえきげんしょうしょう)
ドライアイ(乾性角結膜炎、涙液減少症)
涙が減り、目の表面が乾くことで様々な症状を引き起こしてしまう状態
4人の医師がチェック 129回の改訂 最終更新: 2026.01.29

ドライアイ(乾性角結膜炎、涙液減少症)でよくある疑問:セルフケア、コンタクト、市販薬などについて

ドライアイの人は症状と上手に付き合っていくために自分でできる対策についての理解を深めておく必要があります。ドライアイが改善しない場合の考え方や多くの人が使っているコンタクトレンズを使用する際の注意点についても説明します。

1. 自分でできるドライアイの対策には何がある? 目薬・メガネ・まばたき・アイマスク

ドライアイの症状を抑えるための対策には自分でできるものがいくつもあります。症状と上手に付き合っていくためにはちょっとした工夫の積み重ねが大切です。ここでは押さえておきたい工夫について説明します。

目薬をさす

目薬をさすことはドライアイの症状を和らげるのに最も効果的な治療の1つです。目薬には市販薬として薬局で手に入るものもあれば、医療機関での処方箋が必要なものもあり、症状に合わせて適したものを選ぶことが大切です。

注意点として、コンタクトレンズを使っている人は点眼薬の成分によっては避けたほうがよいものもあります。ドライアイを感じて症状を和らげたいと思っている人は、医療機関を受診して目薬を選ぶようにするのがよいでしょう。どうしても医療機関にかかる時間がなくて、今は薬局の市販薬で済ませたいと考えている人もいると思います。その場合は薬剤師さんにアドバイスを求めるようにしてください。

なお、目薬をさす量は1滴で十分です。その理由については「目薬は1滴で充分なの??」で説明しているので合わせて参考にしてください。

メガネを上手に活用する

コンタクトレンズはドライアイの原因になったり、症状を悪化させたりします。とはいえ、どうしてもコンタクトレンズを付けたい場面もあるものです。ドライアイの人がコンタクトレンズを使うときには着用時間を制限すると、症状を和らげられることがあります。また、帰宅後やパソコン作業中はメガネに変えるなど機会に応じた使い分けができるとドライアイの症状と上手に付き合うことができます。

まばたきの回数を増やす

まばたきには涙を目の表面に行き渡らせる効果があります。

長時間集中して同じものを見るとまばたきの回数が減少します。パソコンでの作業や運転などは長時間集中して目を使うことが多く、無意識のうちにまばたきが減りがちです。まばたきが減ると、目をおおう涙が不足してしまい、症状が強くなります。長時間集中して目を使う場合には意識的にまばたきの回数を増やすと症状を和らげる効果が期待できます。

簡単に行うことができるので、意識してまばたきの回数を増やしてみてください。

アイマスクで目を温める

アイマスクで目を温める温罨法(おんあんぽう)も症状を和らげる効果が期待できます。

温罨法はドライアイを起こすマイボーム腺機能不全の症状を和らげる方法として取り入れられています。マイボーム腺は涙の成分の1つである皮脂を分泌する場所です。マイボーム腺機能不全はマイボーム腺の働きが不十分になり、さまざまな症状が現れます。その症状の1つがドライアイです。

マイボーム腺機能不全はの血流が悪くなることや固まった皮脂がが栓をしてしまうことなどが原因だと考えられています。アイマスクで目を温める温罨法を行うとまぶたの血流がよくなり、マイボーム腺のつまりも改善すると考えられており、ドライアイの症状を和らげられるとされています。アイマスクを使った温罨法は自宅でもできる手軽な治療法ですが、適切な方法で行う必要があります。やってみたい人はお医者さんに相談して正しい方法を確認してからにしてください。

2. ドライアイが改善しない場合は何が考えられる?

目薬や環境面を整えても症状が良くならない場合があります。その場合にはドライアイの原因が別に隠れていないかを調べます。ドライアイの原因として盲点になりやすいのが「全身の病気」と「内服している薬」です。

ドライアイを起こす病気が隠れていないかを調べる

ドライアイは環境や生活習慣、加齢などが原因の場合もあれば、目の病気や全身の病気が原因で起こることもあります。原因となる病気が隠れている場合はその病気を治療するとドライアイの症状がよくなることが期待できます。

■目の病気

ドライアイは目の病気に引き続いて起こることがあります。ドライアイを起こす病気として「結膜弛緩症」と「マイボーム腺機能不全」が知られています。結膜弛緩症は結膜(白目の部分の最も表面の層)が緩む病気です。結膜が緩むと涙が正常に目をおおえなくなってしまいドライアイの症状が現れます。

マイボーム腺は涙の成分の1つである皮脂を分泌する場所です。皮脂は涙が蒸発するのを防ぐ働きがあります。マイボーム腺機能不全が起こると、皮脂が十分に分泌されなくなり、目をおおっている涙が蒸発しやすくなってドライアイが起こります。

結膜弛緩症とマイボーム腺機能不全は「ドライアイの原因」で詳しく説明しているので参考にしてください。

■全身の病気

全身に症状を現す病気の中にはドライアイを起こすものがあります。代表的な病気は「シェーグレン症候群」や「パーキンソン病」、「糖尿病」です。ドライアイの症状が目薬や生活習慣を変えてもなかなか良くならない場合は、背景にドライアイを起こす病気が隠れている可能性を検討しておく必要があります。もしこれらの病気について調べてほしい場合は、治療を受けている眼科から紹介してもらうとスムーズに診療を受けられます。まずはかかりつけのお医者さんに相談してください。

ドライアイを起こす全身の病気のより詳しい情報は「シェーグレン症候群の詳細情報ページ」や「パーキンソン病の詳細情報ページ」、「糖尿病の詳細情報ページ」を参考にしてください。

ドライアイを起こす薬を飲んでいないかを調べる

他の病気の治療で飲んでいる薬がドライアイの原因になることがあります。薬がドライアイを起こしている場合は薬を変更することで症状が良くなることがあります。

ドライアイを起こす薬としては次のものが知られています。

【ドライアイの原因になる薬】

  • ヒスタミン
  • 抗コリン薬 
  • 女性ホルモン
  • 不整脈薬 
  • 防腐剤入りの点眼薬

ドライアイで眼科を受診する際には服用している薬をもらさずにお医者さんに伝えるようにしてください。服用している薬の中にドライアイの原因として考えられるものがあれば、お医者さん同士で連絡を取り合って薬を調整してもらえます。

3. ドライアイの人がコンタクトレンズを使うときの注意点は?

コンタクトレンズは便利なもので今では多くの人が利用しています。一方で、コンタクトレンズはドライアイの原因になったりドライアイの症状を悪化させたりすることがあるので、ドライアイの人はより上手な使い方をしなければなりません。

目薬とコンタクトレンズの種類について説明します。

どの目薬を選べばよいのか

コンタクトレンズをしている場合には目薬の成分に注意が必要です。具体的には防腐剤が入っていないものを選ぶようにしてください。市販薬を購入する際には「防腐剤無配合」や「コンタクトレンズをしたままで使用できます」といった記載があるのでそれを目印にしてください。

ただし、カラーコンタクトレンズではコンタクトレンズに使用ができるものでも使えないことがあるので注意が必要です。

また、判断が難しい場合には、薬剤師さんに「コンタクトレンズを着用している人が使えるドライアイ用の目薬を探している」ことを伝えると確実です。

コンタクトレンズはハードとソフトのどちらがよいのか

コンタクトレンズにはハードレンズとソフトレンズの2つがあります。

ドライアイの人でもどちらも使うことができますが、より目に優しいのはハードレンズだと考えられています。ハードレンズは水分を吸収しないのに対して、ソフトレンズは水分を吸収してしまうので、目をおおう水分が減少してしまいドライアイの症状が強くなることがあるからです。

とはいえ、全てのドライアイの人にとってハートレンズの方がよいかというとそうとは言い切れない側面もあります。コンタクトレンズによる異物感はハードレンズの方が強いので、目の違和感が気になっている人には向かないこともあります。

ソフトレンズにもハードレンズにも良い点や悪い点があります。ドライアイの症状や生活スタイルを鑑みてどちらにするかをお医者さんに相談してください。

また、ソフトレンズを選んでもハードレンズを選んでも、コンタクトレンズは目にある程度負担をかけていることは忘れないようにしましょう。必要な場面だけ使用するといった考えも大切ですし、「つけたままで寝る」「推奨されている期間を超えて使用する」といった不適切な使い方はドライアイ以前の問題として目にダメージを与えてしまうので避けるようにしてください。

4. ドライアイの目薬は市販薬でも良い? 処方薬との違いはある?

ドライアイの治療薬として使える目薬には次のようにいくつか種類があります。(なお、本記事に登場する薬剤に関して、株式会社メドレーは特定の製薬企業やその関係団体との利害関係はありません。)

人工涙液とヒアルロン酸ナトリウム点眼液は市販薬としても購入することができます。 人工涙液には「涙を補う効果」が、ヒアルロン酸ナトリウムには「涙を安定させて角膜を保護する効果」があります。

一方で、レバミピドとジクアホソルナトリウムは医療機関での処方箋が必要です。レバミピドには「角膜を守る成分であるムチン産生」や「角膜上皮細胞の増殖を促す効果」が、ジクアホソルナトリウムには「水分やムチンの分泌を促す効果」が、それぞれ期待でき、市販薬で改善できないようなドライアイに対してもその効果が期待できるとされています。

このように処方薬の中には市販薬には含まれていない成分もあり、医療機関で処方してもらったほうが症状の改善がはかれることもあります。とは言え、ドライアイの人すべてが処方薬を使う必要があるかというと必ずしもそうとは限りませんし、症状が軽度な場合などでは市販薬で十分改善がはかれることもあります。

ドライアイとは長い間付き合っていかなければならないこともあります。自分の症状や使ってみた感触なども目薬を選ぶ基準にしてみると、自分にあったものが選べるようになるでしょう。

5. ドライアイは治る?

ドライアイがどのくらいの割合で治るかは分かってはいません。また、治るかどうかは原因と程度によって変わってきます。

例えば、エアコンの近くで作業をすることになってからドライアイが気になり始めた場合は乾燥した環境が原因と考えられ、作業場所を変えるだけで完治することがありえます。一方で、シェーグレン症候群という涙が分泌される場所が破壊されてしまう病気が原因のドライアイを治すことは簡単ではありません。

「完治が難しい」と聞くと気持ちが落ち込みがちになりますが、症状と上手に付き合うすべを身につけることで、ドライアイではない人と同じような生活が送れるようになります。

気持ちを切り替えて「症状をいかにしてやわらげるか」ということに向き合ってみてください。

6. ドライアイに効果のある食べ物はある?

ドライアイの症状を改善させる可能性がある成分としてビタミンAなどが注目されていますが、摂取による症状の改善効果は現在のところ不明です。また、他の食品についても現在のところ特効薬になるような食品はないと考えられています。いずれにせよ健康を保つために偏った食品の摂取は避けて、栄養バランスのとれた食事を心がけてください。

7. ドライアイにサプリメントは効く?

抗酸化作用があるとされるサプリメントにドライアイの症状改善効果が期待されています。具体的には、魚に多く含まれているオメガ3脂肪酸やブルーベリーに多く含まれているアントシアニンなどです。いくつかの研究報告ではドライアイの症状が改善したとするものもありますが、まだ効果は不明な部分もあります。もし、サプリメントの効果を試してみたい人はお医者さんにサプリメントを使いたいと希望を伝えてください。

【参考文献】

・UpToDate Dry eyes Author : Roni M Shtein, MD This topic last updated: May 02, 2018.