[医師監修・作成]男性不妊症とはどんな病気なのか? | MEDLEY(メドレー)
だんせいふにんしょう
男性不妊症
男性側の問題で妊娠が成立しない状態
7人の医師がチェック 110回の改訂 最終更新: 2022.05.30

男性不妊症とはどんな病気なのか?

不妊症とは避妊しない性行為を1年以上しているにも関わらず妊娠に至らないことです。不妊症の要因は男性側だけにある場合と、女性側だけにある場合、男女ともにある場合の3パターンに別れます。このうち、男性に要因があるものを男性不妊症といいます。 ここでは男性不妊症の概要として原因や検査、治療などについて説明します。

1. 男性不妊症(英語名:male infertility)とはどんな病気なのか

WHO(世界保健機関)による不妊症の定義は「避妊しない性行為をしているにも関わらず、1年経過しても妊娠にいたらない場合」です。挙児を希望するカップルの8組に1組が不妊症であると考えられています。

不妊症のうち、男性側に要因があるものを男性不妊症と言います。WHOの調査では、不妊症カップルのうち、24%が男女ともに要因があり、それとは別の24%が男性だけにあったということです。つまり、不妊症カップルの約半数に男性側に要因があったということを意味します。

不妊症の要因

2. 男性不妊症の症状について

男性不妊症に特有の症状はありません。パートナーが自然妊娠しないことが男性不妊症に気づくきっかけになります。

3. 男性不妊症の原因について

男性不妊症の原因は多様です。 原因に応じて、次のように分類されることが多いです。

【男性不妊症の主な原因の分類】

  • 造成機能障害:精子を作る機能に問題があること
  • 精路通過障害:精子の通り道に問題があること
  • 性機能障害:勃起や射精ができないこと
  • 副性器の異常:前立腺や精巣上体に問題があること

男性不妊症の治療は原因によって異なるので、詳しく調べる必要があります。例えば、精子を作る機能に問題があって精子が少ない人では妊娠のために精巣から直接精子を取り出さなければなりません。他方、勃起不全によって性行為が上手くできない人にはED治療薬が有効です。 原因を詳細に調べるために、次で説明する診察や検査が行われます。 なお、それぞれの原因について詳しい説明は「こちらのページ」を参考にしてください。

4. 男性不妊症の検査について

男性不妊症が疑われる人には、次の診察や検査が行われます。

【男性不妊症の診察や検査】

  • 問診
  • 身体診察
  • 精液検査
  • 血液検査
  • 超音波検査

診察や検査の目的は男性不妊症の診断に加えて、原因を明らかにすることです。それぞれの検査の詳しい内容は「こちらのページ」を参考にしてください。

5. 男性不妊症の治療について

男性不妊症は原因によって治療法が異なります。例えば、精索静脈瘤や精管狭窄症という病気の影響で不妊症になっている人には手術が有効ですし、EDで性交ができない人にはED治療薬が効果的です。

不妊症の原因を治療することによって妊娠できることがある一方で、原因を治療しても不妊症が続くことがあります。原因の治療が効果を示さない場合は、人工授精や生殖医療技術(ART)が検討されます。詳しくは「こちらのページ」を参考にしてください。

6. 男性不妊症で知っておくと良いこと

不妊症は悩ましくデリケートな問題です。 一昔前までは、不妊症の原因は女性によるものが大きいと考えられてきましたが、約半数は男性側にも原因があることが明らかになってきました。不妊治療における男性の役割はこれからも大きくなっていくと考えられます。

男性不妊症の検査は精液を採取したり、性交の様子を伝えたりと、敷居が高いものですし、治療をしてもすぐに結果がでないこともあります。挙児への道のりが険しいことは珍しくはありません。治療には忍耐が必要となることも多いですが、このページやリンク先の内容を理解して、正しい知識を持って望むと、少しは気持ちが楽になると思います。ぜひ活用してみてください。

なお、ちょっとした疑問や知っておくとよいことなどについては「こちらのページ」にまとめてあるので、参考にしてください。

参考文献

・「標準泌尿器科学」、(赤座英之/監)、医学書院、2014
・「泌尿器科診療ガイド」、(勝岡洋治/編)、金芳堂、2011