ろっかんしんけいつう
肋間神経痛
肋骨と肋骨の間に通っている神経に生じる痛み
8人の医師がチェック 116回の改訂 最終更新: 2024.07.12

肋間神経痛でよくある疑問

肋間神経痛は痛みが長く続いたり再発したりと悩みが深いこともあります。このページでは、よくある疑問と、なかなか治らない肋間神経痛に対する日常生活の工夫や再発予防などについて考えていきます。

1. 肋間神経痛は自然治癒する? 病院には行かなくてもいい?

肋間神経痛は肋間神経が傷ついたり圧迫されたりして起こります。このため、時間の経過とともに神経が修復されれば痛みも改善します。これを自然治癒とする見方ができるかもしれません。自然治癒を期待することは悪いことではないのですが、少し注意しないといけないこともあります。

病気が隠れていることがある

肋間神経痛と診断され特に明らかな原因がない場合は自然治癒することもあるかもしれません。しかし、肋間神経痛には原因となる病気が隠れていることがあり、その病気の治療が必要になることがあります。以下が肋間神経痛の原因になりうる主な病気です。

上記のような明らかな原因がある場合は、その病気に対する治療で症状の改善が期待できます。違う見方をすると、原因を治療しなければ症状はよくならないこともあるということです。そのため、自然治癒を期待して医療機関を受診しないことはあまりお勧めしません。

肋間神経痛と似た症状があらわれる病気がある

もう一つ注意したいのが肋間神経痛と似た病気の存在です。胸痛など肋間神経痛に似た症状があらわれる病気はいくつもあります。その中には命に危険を及ぼすものもあります。

【肋間神経痛に似た症状があらわれる病気の例】

胸が痛くなり自ら集めた情報から肋間神経痛かもしれないと考えて自然治癒を期待していたら思わぬ病気が隠れていた、ということはあり得る話です。医療機関を受診してしっかりと調べてもらうことが大事です。

2. 肋間神経痛に市販薬は効果がある?

肋間神経痛に効果のある鎮痛剤にNSAIDsやプレガバリンがあります。プレガバリン(商品名リリカ®)は医療機関で処方される薬です。NSAIDsは店頭で購入することができますが、プレガバリンに比べて効果が得にくい場合もあります。ひとまずNSAIDsを内服してみるのは一つの手ですが、効果が小さいこともあるということは頭に入れておいてください。

3. 肋間神経痛はどの診療科に行けばいい? 神経内科? 整形外科? ペインクリニック?

肋間神経痛は状況によって受診に適した診療科が変わることがあります。ここではいくつかの場面を想定してどの科を受診すればよいかを考えてみたいと思います。

肋間神経痛が気になるけれども診断がされていない場合

脇腹や胸に痛みがあり、情報を集めるとどうも肋間神経痛の症状に似ている、と感じた場合です。痛みの原因が本当に肋間神経痛かどうかを知りたい場合にはどうすればいいでしょうか。

肋間神経痛は病気ではなく症状です。つまり、さまざまな原因が背景にあって痛みがあらわれます。肋間神経痛の主な原因は骨や神経の病気です。骨の病気を扱うのは整形外科、神経の病気を扱うのは神経内科になります。そこで、整形外科や神経内科を受診し原因を探すことは理にかなっています。神経内科と標榜していない内科でも対応が可能な場合があります。

肋間神経痛の症状である胸痛(胸の痛み)は心臓や肺の病気も原因になることがあります。調べた結果、心臓の病気の可能性がある場合には循環器内科に、肺の病気の可能性がある時には呼吸器内科の受診を勧められます。

肋間神経痛を治したい場合

肋間神経痛の原因が明らかな場合は、その病気を治療することで症状の改善や完治が期待できます。例えば椎間板ヘルニアが肋間神経痛の原因になっている場合は手術をすることで症状の改善が望めます。

一方で原因がはっきりとしないこともあります。その場合には鎮痛剤や神経ブロックなどを用いて痛みを和らげる治療が主体になります。治療は診断をした診療科(整形外科・神経内科・内科など)で継続して受けることができます。痛みがなかなかとれない場合には痛みを専門的に扱うペインクリニック科を紹介してもらうこともできます。

4. 治らない肋間神経痛はどう付き合っていけばいい? 日常生活でできる工夫はある?

肋間神経痛がなかなか治らず、痛みと付き合いながら生活をしなければならないこともあります。治らない肋間神経痛との上手な付き合い方を考えてみたいと思います。

身体を温める

肋間神経痛は筋肉の緊張が影響しているという意見があります。硬くなった筋肉をほぐす方法として体を温めるのはよい方法です。体が温まると血流がよくなり筋肉がほぐれます。

少し熱めのお湯につかると、身体が温まることに加えてリラックス効果もあってよいかもしれません。

軽い運動やストレッチ

ストレッチや軽い運動は全身の血の巡りを良くします。身体を温めるのと同様に血流がよくなると筋肉がほぐれる効果などが期待できます。強い負荷の運動は必要ないでしょう。少し長めの距離を歩いたり階段の上り下りをしたりといったことで十分です。デスクワークなどで同じ姿勢が続いたときには合間をみてストレッチをして身体を伸ばすこともいいでしょう。工夫して軽い運動やストレッチを生活に取り入れてみてください。

5. 肋間神経痛の再発を予防するには?

一度症状が落ち着いた肋間神経痛は再発することがあるのでしょうか?肋間神経痛の再発とその予防法について考えてみたいと思います。

肋間神経痛は再発するのか?

肋間神経痛の再発率について詳しく調べた報告がないので再発率は不明です。肋間神経痛の原因から再発について考えてみたいと思います。

肋間神経痛は肋間神経の障害によって発生します。障害が起きる原因は開胸手術や帯状疱疹などさまざまです。原因が明らかな場合は再発する可能性は少ないかもしれません。一方で原因が不明な肋間神経痛は原因が不明なだけに再発することもありえるかもしれません。

肋間神経痛の再発予防法はある?

確立した肋間神経痛の予防法はありませんが、肋間神経痛のメカニズムから再発予防の方法を考えてみたいと思います。

肋間神経痛の症状には筋肉が硬くなることが関係しているとする意見があります。肋間神経は筋肉に囲まれるようにして存在しており筋肉が硬くなったりすると神経を圧迫して痛みがでると考えられています。筋肉が硬くなることを筋緊張といいます。筋緊張を避けることが肋間神経痛の再発予防につながるかもしれません。

では、筋緊張を避けるにはどうしたら良いのでしょうか。以下のことが筋緊張には悪影響を及ぼしていると考えられます。

  • 身体の冷やしすぎ
  • 長時間悪い姿勢をとる
  • 運動不足
  • ストレス

筋緊張をなるべく和らげてあげるには身体を冷やしすぎないことです。身体が冷えると血の巡りが悪くなり、筋緊張を起こす原因になります。衣類で調節したり、入浴時間を少し長くしたりして、身体を温めてみてください。

長時間悪い姿勢を取り続けることや運動不足も筋緊張に関係していると考えられています。仕事の合間に簡単でもよいのでストレッチなどを取り入れることは筋緊張を和らげたりするには有効かもしれません。

ストレスにも注意が必要です。心理的なストレスがかかると筋緊張が誘発されることがあります。ストレスはさまざまな場面で出くわします。気分転換を図る時間を設けたりすることが対策になります。

肋間神経痛の予防を筋緊張という面から考えてみました。証拠のある話ではないので、予防しようと大きく生活を変える必要はありません。負担にならない範囲で取り組んでみるとよいと思います。