大動脈瘤の診断には超音波検査やCT検査などの画像検査が欠かせません。大動脈瘤があれば、できている場所や大きさなどの情報から手術の必要性を見極め治療方針を立てます。ここでは大動脈瘤が疑われる人が受ける診察や検査を一つひとつ取り上げます。
1. 問診
問診は対話形式による診察です。お医者さんは問診を通じて患者さんの症状や身体の状況に関する情報を集め症状の原因を推測します。問診の内容からお医者さんは症状の原因について推測します。大動脈瘤が疑われる人には次のような質問が行われます。
【大動脈瘤が疑われる人への問診例】
- どんな症状があるのか
- 症状はいつからあるのか
- 持病や過去にかかった病気
- 内服中の薬
- 喫煙歴
- 飲酒歴
- 家族に大動脈解離や大動脈瘤になった人がいるか
大動脈瘤は無症状なことも多く、他の病気の検査や健康診断で見つかることが少なくありません。症状がない場合は、無症状であることを伝えてください。なお大動脈瘤の症状については「こちらのページ」で詳しく説明しているので参考にしてください。
2. 身体診察
身体診察とは、身体を触ったり、聴診器を使って身体の中の音を聞いたりする診察のことです。問診で得た情報を手掛かりに、さらに詳しく身体のすみずみまで調べます。腹部大動脈瘤(腹部の大動脈に瘤ができるもの)であれば、瘤が心拍に合わせて拍動する様子が観察されますし、お腹に当てた聴診器からは血管の雑音が聴取されます。
3. 画像検査:超音波検査、CT検査、MRI検査
身体の中を画像として映し出す検査を総称して画像検査と呼びます。聞いたことがある検査もあれば聞き慣れないものもあるかもしれません。
超音波検査(エコー検査)
超音波は耳には聞こえない高い音です。この超音波を利用することで身体の断面を画像化することができます。放射線を使った検査ではないので、被ばくの心配はありません。
超音波検査は腹部の大動脈瘤の観察に向いています。しかし、空気や骨があると上手く検査ができないため、呼吸器や肋骨がある胸部の大動脈瘤には向きません。また、比較的簡便に行えるので、経過観察中の検査として、繰り返し行われます。
CT検査

CT検査は放射線を使った検査です。超音波検査と同様に身体の断面を画像化することができます。CT検査ではより詳しく調べるために、造影剤を注射して行う場合があり、これを造影CT検査と言います。造影剤には血管をくっきりと映し出す効果があるので、大動脈瘤の診断に向いています。多くの情報が得られる造影CT検査ですが、腎臓の機能が低下している人や過去に造影剤アレルギーを起こした人、一部の糖尿病治療薬を飲んでいる人には行うことができません。当てはまる人は診察のときにお医者さんに伝えるようにしてください。
MRI検査
MRI検査は磁気を利用した検査です。CT検査と同様に、身体の断面を画像化することができます。CT検査に比べてMRI検査は行われることは多くはありませんが、造影CT検査を受けられない人には、その代わりとして行われることがあります。
参考文献
「大動脈瘤・大動脈解離診療ガイドライン 2020年改訂版」(2020.10.31閲覧)