げんぱつせいたんじゅうせいかんこうへん
原発性胆汁性肝硬変
体内で作られた自己抗体(自分の体を攻撃する物質)が肝臓に炎症を起こし、肝機能を徐々に低下させる自己免疫疾患の一つ
4人の医師がチェック 127回の改訂 最終更新: 2018.03.26

原発性胆汁性肝硬変の基礎知識

POINT 原発性胆汁性肝硬変とは

原発性胆汁性肝硬変は体内で作られた自己抗体(自分の体を攻撃する物質)が肝臓に炎症を起こし肝機能を徐々に低下させる病気です。関節リウマチ、全身性強皮症、シェーグレン症候群、慢性甲状腺炎などの自己免疫疾患を合併しやすいことがわかっています。初期に症状を自覚することは少ないですが、病状が進行すると疲労感・かゆみ・口のかゆみ・黄疸(皮膚や目が黄色くなる変化)などが見られるようになります。 症状や身体診察に加えて、血液検査・エコー検査・CT検査を用いて診断します。有効な治療はありませんが症状を和らげる治療(対症療法)を行います。また、黄疸などが出現して肝障害が強い場合は肝移植が検討される場合もあります。原発性胆汁性肝硬変が心配な人や治療したい人は、消化器内科や消化器外科を受診して下さい。

原発性胆汁性肝硬変について

  • 体内で作られた自己抗体(自分の体を攻撃する物質)が炎症を起こして、肝臓の機能を徐々に低下させる病気
  • 以下の2つに分類される
    • 症候性:肝障害による症状が出現するタイプが全体の20-30%
    • 無症候性:肝障害による症状が見られないタイプが全体の70-80%
  • 日本全国で約5-6万人の患者がいると推定される
    • 軽症の患者の数は年々増加している
    • 中年以降の女性に多い(男女比は約1:7)
  • 同じ家族(親子や兄弟など)内で発症するケースが見られるため、遺伝的な要素が関係していると考えられる
  • 特に症状のない状態であればその後の経過は良好で、一般人とほぼ同等である
    • 約10-40%(5年間で約25%)は症状のある原発性胆汁性肝硬変へ移行する
    • 黄疸が出るようになると進行性でその後の経過は不良である
  • 血清T.Bil(総ビリルビン)値から推測される5年生存率は以下の通り
    • T.Bil値が2.0mg/dlでは60%
    • T.Bil値が5.0mg/dlになると55%
    • T.Bil値が8.0mg/dlを超えると35%

原発性胆汁性肝硬変の症状

  • 年単位で非常にゆっくりと発症するので、症候性原発性胆汁性肝硬変であっても初期には全く症状の出ない人がいる
  • 最初に現れる症状
    • 皮膚の強いかゆみ
      発疹は出ない
    • 疲労感
    • 口の渇き
    • ドライアイ
  • 発症後数か月から数年後以降に現れる症状
    • 黄疸:皮膚や眼球(白目)の部分が黄色くなる症状
    • 浮腫むくみ
    • 腹水:お腹の張り
    • 肝性脳症:肝障害が原因で生じる脳障害
  • 主な合併症

原発性胆汁性肝硬変の検査・診断

  • 触診:お腹を触り、肝臓の腫れの有無を調べる
  • 視診:目や皮膚が黄色くないか調べる
  • 血液検査:肝機能、抗体の有無などを調べる
  • 画像検査:肝臓の状態を調べる
    • 腹部超音波検査
    • MRI検査
  • 組織診:肝臓の一部を切り取って、肝硬変を起こした原因を調べる

原発性胆汁性肝硬変の治療法

  • 現時点では原因が不明なため根本的な治療はなく、以下の対症療法が中心となる
    • コレスチラミン、抗ヒスタミン薬:かゆみを抑える
    • ウルソデオキシコール酸:肝臓障害の進行を遅らせる
    • 活性化ビタミンDやカルシウム:骨粗しょう症の予防
  • 黄疸が出現した重症の症候性原発性胆汁性肝硬変の患者には、肝臓移植が行われる
  • この病気ではアルコールは肝臓に負担をかけるので禁酒する必要がある
  • 病気の進み方は人それぞれで、3-5年の間に急速に悪化する人もいれば10-15年もの間症状が見られない人もいる
  • 一旦症状が現れると余命は平均で約10年と言われる


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