ふくこうじょうせんきのうていかしょう
副甲状腺機能低下症
副甲状腺ホルモンの分泌や作用が低下することで低カルシウム血症、高リン血症などをおこす病気
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最終更新: 2019.02.14
副甲状腺機能低下症の基礎知識
POINT 副甲状腺機能低下症とは
副甲状腺は血液中のカルシウムやリンを調節するホルモンを分泌します。この副甲状腺の機能が低下すると血液中のカルシウムやリンの濃度に異常が生じて、さまざまな症状が現れます。具体的な症状は手や足、唇のしびれや手足の筋肉の硬直、抑うつ、脈の乱れなどです。副甲状腺機能亢進症が疑われる人には血液検査や尿検査が行われて、詳しく調べられます。けいれんを起こしている人にはカルシウムが補われます。明らかな症状がない場合には腸からのカルシウムの吸収を促すビタミンDの内服が行われて、カルシウム濃度の低下が予防されます。副甲状腺機能低下症は内分泌内科などで治療が行われます。
副甲状腺機能低下症について
副甲状腺ホルモン の分泌や作用が低下することで低カルシウム血症、高リン血症などをおこす病気- 以下の3つに分類される
原発性 副甲状腺機能低下症自己免疫疾患 (HAM症候群)- 先天的に副腎がきちんとつくられない病気(22q11.2欠失症候群)
二次性 副甲状腺機能低下症- 首の手術や
放射線治療 の影響で副甲状腺 の機能が低下したもの
- 首の手術や
- 偽性副甲状腺機能低下症
副甲状腺機能低下症の症状
- 手や足、唇のしびれ
テタニー (手足の筋肉の硬直)- 精神
症状 不穏 - うつ
- 不整脈
- QT延長
- 消化器症状
- 吐き気
- 嘔吐
- 下痢 など
副甲状腺機能低下症の検査・診断
- 血液検査
副甲状腺ホルモン の量を調べて、原因を診断する- カルシウムやリンの濃度を調べる
- 尿検査
- 尿中カルシウムとクレアチニンを調べる
副甲状腺機能低下症の治療法
テタニー やけいれんを起こしている場合- カルシウム製剤(カルチコール)を注射
- 緊急に血中のカルシウムを補う
- カルシウム製剤(カルチコール)を注射
- 明らかな
症状 がない場合- 活性型
ビタミンD 製剤- 腸からのカルシウム吸収を促す
- 活性型
副甲状腺機能低下症に関連する治療薬
活性型ビタミンD3製剤
- 小腸からのカルシウム吸収を促進させ、骨量の減少を抑え骨粗しょう症による骨折などの危険性を低下させる薬
- 骨粗しょう症では骨を壊す細胞と作る細胞のバランスが崩れ骨がもろくなってしまう
- ビタミンDは活性型ビタミンD3となると、小腸からのカルシウムの吸収を促進させ骨量の減少を抑える
- 本剤は体内で活性型ビタミンD3とほぼ同様の作用をあらわす
- 続発性(二次性)副甲状腺機能亢進症や副甲状腺機能低下症などに使用する薬剤もある