ふんせんちゅうしょう
糞線虫症
糞線虫という寄生虫に寄生されることで起こる感染症。国内では奄美、沖縄などに多い
6人の医師がチェック 42回の改訂 最終更新: 2017.12.06

糞線虫症の基礎知識

POINT 糞線虫症とは

糞線虫という寄生虫に感染によって起こる病気です。日本国内では奄美地方や沖縄地方に多い病気です。土壌にいる糞線虫が皮膚から入って感染が起こります。主な症状は腹痛・下痢・発熱などで、場合によっては息苦しさや咳などの症状も出ます。 血液検査や内視鏡検査を行って診断します。治療には抗寄生虫薬を用います。糞線虫症が心配な人や治療したい人は、感染症内科や消化器内科を受診して下さい。

糞線虫症について

  • 糞線虫という寄生虫に寄生されることで起こる感染症
    • 長さ2mm程度の糸状の寄生虫
    • 熱帯地方から温帯地方にかけて生息する
      ・日本国内では奄美・沖縄などが主な流行地
  • 土の中にいる糞線虫の幼虫が皮膚を通してヒトに感染する
    • 幼虫の一部は皮膚や粘膜から体内に潜り込んで、血液やリンパ液にのって肺に移動する
    • 肺に行った後食道を経由して、腸内で成虫になる
    • 糞線虫の卵は腸の中で孵化する
  • 腹痛や下痢などの消化管症状や肺炎などを起こす
    • 糞線虫に寄生された人の免疫が低い状態になると寄生虫の数が増え、重症化する
      ステロイド薬化学療法中の患者や高齢者など
  • 糞線虫の流行地域は成人T細胞性白血病の流行地域と重複している
    • 糞線虫症と成人T細胞性白血病が同時に存在する患者も多い
    • 成人T細胞性白血病の症状が現れる前に糞線虫の症状があらわれることがある
    • 糞線虫の診断がついた人は成人T細胞性白血病の検査もセットで行うことが多い

糞線虫症の症状

  • 寄生虫が増えると症状が現れる
    • 腹部膨満
    • 下痢
    • 腹痛
    • 息苦しさ
  • 重症化すると次のような症状が現れる
  • 低蛋白血症
    • 腸管が傷つけられることによる吸収障害や傷つけられた部分からタンパク質が失われることで起こる

糞線虫症の検査・診断

  • 抗体検査
    • 肺炎や下痢などを起こしているときは血液中の抗体を調べて診断することができる
  • 内視鏡検査
    • 内視鏡で腸の組織を観察すると、虫の一部を観察することができる

糞線虫症の治療法

  • 駆虫薬を使用して治療する
    • ストロメクトールやイベルメクチン、チアベンダゾール、アルベンダゾールといった駆虫薬を使う
    • 駆虫薬でほぼ完全に駆虫出来る
    • 細菌による感染症合併している場合には抗菌薬も使用される
  • 低タンパク血症や貧血といった症状に対しては、それぞれの対症療法を行う
  • ワクチンなどの予防法はなく、流行地で汚水や汚れた土壌に直接触らないなどの注意が必要

糞線虫症に関連する治療薬

駆虫薬(イベルメクチン)

  • 糞線虫やヒゼンダニなどの寄生虫に作用し麻痺をおこして死にいたらせ、腸管糞線虫症や疥癬などを治療する薬
    • 腸管糞線虫症や疥癬は寄生虫によりおこる感染症
    • 本剤は糞線虫やヒゼンダニなどの無脊椎動物の神経・筋細胞に作用し麻痺をおこす
    • 本剤は駆虫薬(寄生虫を殺したり体外へ排出するために用いる薬の一種)となる

  • 本剤はフィラリア(犬糸状虫症)の予防などで使用する場合もある
駆虫薬(イベルメクチン)についてもっと詳しく


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糞線虫症に関わるからだの部位

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