2015.10.11 | ニュース

イベルメクチンで治癒、糞線虫の過剰感染症候群のためステロイドを中止した喘息患者

アメリカ31歳女性の症例報告
from The American journal of case reports
イベルメクチンで治癒、糞線虫の過剰感染症候群のためステロイドを中止した喘息患者の写真
(C) Alexander Raths - Fotolia.com

糞線虫は日本でも沖縄などで感染が見られる寄生虫で、体内で大量に増殖して胃腸や肺を傷付けることがあります(過剰感染症候群)。アメリカの研究班から、過剰感染症候群が起こり、駆虫薬のイベルメクチンによる治療で回復した人の例が報告されました。

◆ステロイド薬使用中に糞線虫を発見

ステロイド薬免疫抑制薬を使った治療により免疫の働きが抑えられている人では、過剰感染症候群が起こりやすいと考えられています。

ここで報告されている31歳の女性は、喘息の治療のためステロイド薬を使用中でした。吐き気、嘔吐、腹痛、喘鳴、咳の症状で医療機関を受診し、検査の結果、糞線虫の感染が見つかりました。

 

◆イベルメクチンで治癒

ステロイド薬のため過剰感染症候群が悪化していると考えられたため、ステロイド薬は中止され、イベルメクチンを使った治療が行われた結果、症状は改善し、検査で糞線虫は見つからなくなりました

研究班は「臨床医は、糞線虫の流行がある地域出身で喘息の増悪がある患者に対して、ステロイド薬を処方する際は厳重に注意するべきであり、治療を開始する前に糞線虫の検査を(望ましくは血清学的検査を)行うべきである」と結論しています。

 

イベルメクチンは2015年のノーベル医学生理学賞に選ばれた大村智氏らの研究から開発されました。日本やアメリカでもこうした問題を起こし続けている糞線虫に対して、イベルメクチンによる治療が貢献しています。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Wait!!! No Steroids for this Asthma….

Am J Case Rep. 2015 Jun 26

[PMID: 26114594]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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