バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌感染症 (VRSA感染症) - 基礎知識(症状・原因・治療など) | MEDLEY(メドレー)
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バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌感染症 (VRSA感染症)
バンコマイシンという抗菌薬に対して耐性をもった黄色ブドウ球菌による感染症の総称で、さまざまな抗生物質が効きづらく治療が大変難しい
5人の医師がチェック 87回の改訂 最終更新: 2019.07.08

バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌感染症 (VRSA感染症)の基礎知識

POINT バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌感染症 (VRSA感染症)とは

本来、黄色ブドウ球菌(MRSA:メチシリン耐性黄色ブドウ球菌を含む)に対して効果のあるバンコマイシンが無効になってしまった黄色ブドウ球菌をVRSA(バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌)といい、これが感染症を起こした状態です。たいていの場合は院内の感染で問題になります。主な症状は、高熱・意識もうろう・下痢・息苦しさ・皮膚が腫れるなどです。 細菌検査・髄液検査・血液検査などを行って診断します。治療には特殊な抗菌薬(リネゾリド、ダプトマイシン、チゲサイクリンなど)を用います。バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌感染症が心配な人や治療したい人は、感染症内科を受診して下さい。

バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌感染症 (VRSA感染症)について

  • MRSAの治療に用いられるバンコマイシンという抗菌薬耐性をもった黄色ブドウ球菌による感染症の総称
    • さまざまな抗菌薬が効きづらく治療がとても難しい
    • メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)に対する治療薬は限られているが、バンコマイシンの効かないVRSAは更に限られている
  • 院内感染の原因となることが多い
    • 入院するほど体力の落ちている人に感染が起こりやすい
    • 抗菌薬を使用する頻度が多いと耐性菌が出現しやすい

バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌感染症 (VRSA感染症)の症状

  • 症状は、どの臓器に細菌が感染するかによって異なる
  • 上記の疾患のうち、重症化した際に比較的共通してみられやすい症状
    • 突然の高熱が出る
    • 意識が悪くなる
    • お腹が膨れる
  • 検査でみられやすい異常
    • 白血球の数が増減する
    • 血小板の数が減る
    • 炎症反応が高値になる
    • 腎臓の機能が障害される
    • 肝臓の機能が障害される

バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌感染症 (VRSA感染症)の検査・診断

  • 細菌検査
    • 痰や尿や髄液、血液などにどんな細菌が含まれているのかを調べる
    • 検出された細菌に対してどんな抗菌薬が有効なのか(薬剤感受性)を同時に調べることができる
  • 髄液検査
    • 腰椎穿刺を行い、髄液を調べ、炎症の波及している程度を調べる
    • 採取した髄液を用いて上記の細菌検査を行う
  • バンコマイシンに対する感受性試験
    • 検出された細菌に対してダプトマイシンやバンコマイシンが有効か検査する

バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌感染症 (VRSA感染症)の治療法

  • 効く薬が限られているため、治療は限られている
    • 効果があると判断された抗菌薬を使用する
      • 治療に使用できるものはリネゾリドやダプトマイシンなどごくわずかしか存在しない
      • そのため抗菌薬の乱用は行わない必要がある
  • 有効な治療法が非常に限られているため、他の患者へ感染しないようにすることが大切
  • 入院中の感染の広がりを防ぐために、個室への入院が必要となることがある

バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌感染症 (VRSA感染症)の経過と病院探しのポイント

バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌感染症 (VRSA感染症)でお困りの方

バンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌感染症(VRSA感染症)は、VRSAと呼ばれる特殊な菌が原因で起きる様々な感染症の総称です。具体的には肺炎蜂窩織炎髄膜炎骨髄炎など様々な感染症でVRSAが原因となります。

VRSAとは、黄色ブドウ球菌と呼ばれる菌のうち一部の抗生物質(バンコマイシンなど)が効かなくなったものを指します。(VRSAではない)黄色ブドウ球菌そのものは本来あまり病原性の高くない菌ですし、それはVRSAも同様です。

通常の人は黄色ブドウ球菌であろうとVRSAであろうと、病原性の低いこれらの菌によって体調を損なうことはまれです。しかし、もともと心臓や肺の病気を持っている方やご高齢の方などで特に、VRSAが問題となります。一旦VRSAにかかると、効果がある抗生物質が限られてしまうためです。VRSAと同様の菌でMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)という菌もいますが、MRSAよりももう一段階耐性化が進んだ菌がVRSAです。

VRSAは特殊な菌であり、感染症専門医や、病気に応じた専門医(肺炎ならば呼吸器専門医など)がいる病院で治療を受けるのが良いでしょう。

ただし、VRSAが原因菌だと判明するのはおそらく病院が決まって入院した後のことです。またVRSA感染症については、診断がつき次第その場で治療が開始されますので、その病院での対応が困難だと判断されれば医師の方から別の病院への転院を勧められる流れになります。

VRSA感染症で問題となることの一つは、VRSAが更に他の抗生物質に対しても耐性をもってしまうことです。抗生物質の使用を途中で辞めたり、使用量や使用間隔などを正しくしないと徐々に効かない抗生物質の種類が増えていってしまいます。VRSAもそのようにして生まれた菌ですし、VRSAがそれ以上に耐性化しないよう、適切な治療が行われる必要があります。

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