体質性黄疸の症状について:黄色くなる、だるい、かゆい
体質性黄疸を持つ人でも特別な自覚症状は見られないことが多いです。血清
1. 大部分の人は無症状
体質性黄疸を持つ人でも、ほとんどの人には症状が見られません。症状がないため自分が体質性黄疸であると気づいていない人も多く、血清ビリルビン値が上昇して以下のような症状が見られたときにはじめて体質性黄疸であると気づくこともあります。
2. 白目が黄色くなる
最初に黄疸が現れやすいのは目の強膜(白目の部分)です。強膜にはビリルビンが結合しやすく、血清ビリルビン濃度が上昇すると白目の部分が黄色く変化します。このような症状のことを医学的には「眼球
3. 皮膚が黄色くなる
ビリルビン濃度がさらに高くなると、全身の皮膚の色が黄色くなります。色白の人では皮膚の色の変化が観察しやすいと言われています。皮膚の色調は徐々に変化していくため、自分では皮膚色の変化に気づかず、家族や友人などの他人に指摘されて初めて黄疸に気づく人もいます。
なお、黄疸と同じように皮膚が黄色くなる「柑皮症」がありますが、これはカロチンの過剰摂取が原因で起こる症状で、黄疸とは全く別物です。
4. 尿の色が濃くなる
ビリルビンのうち直接ビリルビンの濃度が高くなると、尿から排泄されるビリルビンの量が増加します。尿中のビリルビンが増加すると、尿の色が紅茶やコーラのような濃く暗い色調に変化します。このような症状のことを医学的には「尿の濃染」と言います。
ちなみに間接ビリルビンは尿中に排泄されないため、血液中の間接ビリルビン濃度が上昇しても尿の色調は変化しません。
5. 身体のだるさ(倦怠感)
ビリルビン濃度が非常に高くなると、身体のだるさを感じることがあります。具体的なビリルビン値の目安はありませんが、皮膚が黄色くなるなど明らかな黄疸症状をきたしている人では
6. 皮膚のかゆみ(掻痒感)
ビリルビン値が10mg/dLを超えるような高度の黄疸がある人や、長期に黄疸症状が続いている人では皮膚のかゆみを感じることがあります。
参考文献
- 福井次矢・黒川清/監修, 「ハリソン内科学 第2版」, メディカル・サイエンス・インターナショナル, 2006
- 杉本恒明・矢崎義雄/総編集, 「内科学 第9版」, 朝倉書店, 2007
- 小俣政男・千葉勉/監修, 「専門医のための消化器病学 第2版」, 医学書院, 2013年