急性胃炎・急性胃粘膜病変(AGML)でみられる症状とは
AGMLでよくあるのは急なみぞおちの痛みです。吐き気やお腹の不快感などが現れることもあります。ただし、これらは他の多くの病気でもみられるので、症状からAGMLと判断することはできません。ここではAGMLの症状の特徴について詳しく説明します。
1. AGMLで見られる症状

AGMLに特徴的な症状は突然起こる上腹部痛や吐き気、嘔吐です。その他にも以下のような症状が起こると言われています。
- 急なみぞおちの痛み(上腹部痛)
- 吐き気、嘔吐
- おなかの不快感
- おなかの膨満感
- 食欲低下
吐血 、下血
それぞれについて解説します。
2. 急なみぞおちの痛み(上腹部痛)
みぞおちのあたりに突然痛みが起こるのはAGMLの人によく見られる症状です。強い痛みを感じることが多く、心筋梗塞など他の病気と間違われることもあります。痛みのある場所を押すと痛みを感じたり、痛みによって筋肉が緊張しているのが分かります。
症状が起こるまでの期間はAGMLの原因によって異なります。精神的ストレスや食べ物、アルコール、薬剤が原因の場合には、数時間から数日以内と比較的短時間で腹痛が起こります。一方、手術やけが、やけどなどによる身体的ストレスが原因の場合には3-7日後に症状が始まることが多いと言われています。
急な上腹部痛はAGMLに特徴的な症状ですが、同じ症状を示す病気は他にもあります。以下は上腹部痛を起こす病気の例です。
上腹部痛を起こす病気の中には緊急を要する病気も含まれています。痛みが気になる人は医療機関を受診して診察を受けるようにしてください。
3. 吐き気、嘔吐
AGMLではおなかの痛みに加えて吐き気を感じることがあり、ときには嘔吐してしまうこともあります。吐き気や嘔吐はAGMLで比較的よく見られる症状です。
4. おなかの不快感、膨満感
強い痛みがない場合でも、「なんとなくおなかが重い」、「おなかがすっきりしない」、「おなかが張って苦しい」などの不快感、膨満感を感じることがあります。
5. 食欲低下
痛みや吐き気以外に、食欲がない、おなかが減らないといった症状が見られることがあります。
6. 吐血、下血
胃や十二指腸で出血を起こしている場合には、吐血や下血といった症状が見られます。出血量がそれほど多くない場合には、血液は大腸に流れて便と一緒に排泄されます。血液の色と同じ赤い便が出ることもありますが、ほとんどの場合は炭のような真っ黒な便(黒色便、タール便とも呼ばれる)が見られます。出血量が多い場合には胃内にたまった血液を嘔吐してしまう吐血症状が見られます。
参考文献
・小俣政男, 千葉勉/監修, 「専門医のための消化器病学第2版」, 医学書院, 2013
・Jensen PJ, Feldman M, Acute hemorrhagic erosive gastropathy and reactive gastropathy. UpToDate (2020.5.2最終更新)
・Feldman M, Jensen PJ, Gastritis: Etiology and diagnosis. UpToDate(2020.5.2最終更新)
・gastropedia:急性胃粘膜病変(2020.7.31閲覧)