きゅうせいいねんまくびょうへん(えーじーえむえる)
急性胃粘膜病変 (AGML)
胃の粘膜のびらんや潰瘍が原因で、急激な腹痛・吐血・下血を起こす状態。多くは薬剤性、アルコールやストレスなどで起こる
8人の医師がチェック 122回の改訂 最終更新: 2017.08.04

急性胃粘膜病変 (AGML)の基礎知識

POINT 急性胃粘膜病変 (AGML)とは

急性胃粘膜病変は胃粘膜の障害が起こることで急激な腹痛や吐血が起こる病気です。薬の副作用・アルコール・ストレス・手術・熱傷・アニサキス症などが原因となって起こることが多いです。主な症状は腹痛・吐血・下血などになります。 症状や身体診察に加えて、胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)を行って診断します。治療には薬物療法を用いますが、胃粘膜から出血しているため薬物療法で効果が不十分な場合は、内視鏡を用いた治療を行うことがあります。急性胃粘膜病変が心配な人や治療したい人は、消化器内科・消化器外科・救急科を受診して下さい。

急性胃粘膜病変 (AGML)について

  • 胃の粘膜のただれや出血性胃炎、胃潰瘍などにより、急激な腹痛や吐血を起こした状態
  • 原因は薬の副作用・アルコール・ストレス・手術・熱傷アニサキス症など
  • 原因となる薬剤
    • NSAIDs(痛み止め)
    • ステロイド薬
    • 抗菌薬

急性胃粘膜病変 (AGML)の症状

  • 発症は急激に起こる
    • 腹痛(心窩部痛:みぞおちのあたり)
    • 吐血
    • 下血
  • 出血量が多いと、出血性ショックを起こすこともある
    • 脈が早い、血圧が低い、意識がもうろうとする場合は要注意

急性胃粘膜病変 (AGML)の検査・診断

  • 胃カメラ
    • 胃粘膜のただれや出血の場所を調べる
    • その場で治療も行える

急性胃粘膜病変 (AGML)の治療法

  • 出血が多い場合は内視鏡で止血を行う
  • 保存的治療として絶食し、胃酸を抑える薬を使用する
    • プロトンポンプ阻害薬
    • H2阻害薬
  • NSAIDsなど痛み止めの薬を長期的に使用するときは胃薬(プロトンポンプ阻害薬・H2阻害薬・プロスタグランジン促進剤など)を併用する

急性胃粘膜病変 (AGML)に関連する治療薬

抗コリン薬

  • 副交感神経を亢進させるアセチルコリンの作用を抑えることで、消化管の運動亢進に伴う痛みや痙攣、下痢などを抑える薬
    • アセチルコリンは副交感神経を活発にして消化管の運動などを亢進させる
    • 副交感神経が活発になると胃や腸などの痙攣・痛み、潰瘍や胃炎・腸炎の悪化などがおこりやすくなる
    • 本剤はアセチルコリンの働きを抑える作用(抗コリン作用)をあらわす
  • 胆石や尿路結石に伴う痛みなどの改善に使用する薬剤もある
  • 本剤は薬剤の作用や化学構造などにより、ムスカリン拮抗薬、3級アミン類、4級アンモニウム類などに分けられる
抗コリン薬についてもっと詳しく

胃粘膜局所麻酔薬

  • 局所麻酔作用により消化管運動などを抑え、過剰な消化管運動に伴う痛み、痙攣、吐き気、便意などを改善する薬
    • 消化管運動が過剰になると消化管の痙攣、潰瘍や胃炎・腸炎の悪化などがおこる
    • 消化管に局所的に麻酔をかけると消化管運動や胃酸分泌などが抑制される
    • 本剤は主に消化管の粘膜などに局所麻酔作用をあらわす
  • 薬剤によっては、内視鏡検査などにおける咽喉頭・食道部の麻酔や口腔内麻酔などに使用する場合もある
胃粘膜局所麻酔薬についてもっと詳しく

急性胃粘膜病変 (AGML)の経過と病院探しのポイント

急性胃粘膜病変 (AGML)が心配な方

急性胃粘膜病変(AGML)は胃の強い痛みが特徴的です。症状が強い場合には、吐血したり血便が出たりして、救急車で病院へ搬送されることもあります。ただし、血便とは言っても赤い便ではなく真っ黒な便となることが多いです。胃酸と血液が反応して血液が黒色に変化するためです。

上記の様な症状に該当してご心配な方は胃カメラ(上部消化管内視鏡)の検査が行える病院での受診をお勧めします。消化器内科が専門の診療科で、診断のためにも治療のためにも胃カメラが必要となります。重症の急性胃粘膜病変で胃に穴が開いてしまった場合には手術が必要となり、その時には消化器外科、腹部外科、一般外科などが対応することになります。

治療を行った後も入院の上で経過をみることになりますから、クリニックではなく入院設備のある医療機関が適切です。

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急性胃粘膜病変 (AGML)でお困りの方

急性胃粘膜病変の治療は重症度で変わります。重症で出血し続けている場合などは、緊急で胃カメラの治療を行います。そのような場合の胃カメラ治療は、その場で緊急で行われることが多いです。平日の日中であれば良いのですが、土日祝日や夜間は院内に残っているスタッフが少ないため、緊急で胃カメラを行える病院と、そうでない病院があります。ある程度の規模の病院や、普段からの胃カメラの実施件数が多い病院の方が、時間外の治療により迅速に対応できるところが多いと言えます。

その時点では出血が止まっている急性胃粘膜病変の場合は、胃薬の内服で経過を見ることになります。また、長期的にはピロリ菌の除菌治療も重要です。一定期間抗生物質を内服することで、胃にピロリ菌がいる方は、菌を退治することができます。ピロリ菌を除菌することによって胃がんの発生リスクを低下させることが治療の目的です。

ピロリ菌の除菌は、消化器内科のクリニックや、内科のある病院であればほとんどの医療機関で受けることができます。除菌を受けた上で、1年に1回など定期的な胃透視(バリウムによる検査)や胃カメラで経過を見ていくのが良いでしょう。

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