きゅうしゅうふりょうしょうこうぐん
吸収不良症候群
腸からの栄養や水分、電解質などの吸収が十分に行われない状態
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最終更新: 2017.12.06
吸収不良症候群の基礎知識
POINT 吸収不良症候群とは
吸収不良症候群は何らかの原因で食べ物の吸収が悪くなる病気です。原因は多岐にわたっており、消化酵素の問題・消化管粘膜の問題・がんの存在などによって吸収が悪くなります。主な症状は下痢・脂肪便・お腹の張り・体重減少などになります。 症状や身体診察に加えて、便検査・画像検査・内視鏡検査を行って診断します。原因となっている病気を治療することが基本になりますが、下痢などが起こりにくいように食生活に気をつけることも大切です。吸収不良症候群が心配な人や治療したい人は、消化器内科や小児科を受診して下さい。
吸収不良症候群について
- 腸からの栄養や水分、電解質などの吸収が十分に行われない状態
- 以下のいずれかのステップに問題が起こる
- 食物に含まれる栄養素(脂肪、タンパク質、炭水化物など)を分解
- 分解したものの吸収
- 吸収した栄養素を血管内に輸送
- 以下のような病気が原因で起こることがある
吸収不良症候群の症状
- 下痢
- 脂肪便(泥状の便で酸っぱい臭い)
- 体重減少
- 全身のだるさ
- お腹のはり
- むくみ
- 貧血
吸収不良症候群の検査・診断
- 便検査:消化不良の有無を調べる
- 血液検査:血液成分に異常がないか調べる
- 消化吸収試験:消化不良の有無を調べる
- 画像検査:胃や腸に異常がないか調べる
- 腹部レントゲン(X線写真)
- 腹部超音波検査
- 腹部CT検査
- 内視鏡検査
- 胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)
- 大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)
吸収不良症候群の治療法
- 原因となっている病気の治療が最も大切であり、根本的な解決策となる
- 具体的な治療法は、それぞれの病気により異なる
- また、原因の病気が何であれば、共通して行われがちな対症療法には以下の様なものがある
- 吸収不良の程度が比較的軽ければ以下の様な消化しやすいような食事を摂る
- 低脂肪を摂る
- 低繊維を摂る
- 生食を避ける
- 吸収不良の程度が強い場合
- 経管栄養(鼻から管をいれて、吸収しやすい栄養食を流し込む)
- 中心静脈栄養(太い静脈に点滴を刺し、栄養の多い点滴をする)
- 消化酵素が不足している場合は消化酵素を補充する場合もある
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