まんせいすいえん

慢性膵炎

膵臓が作る消化酵素の影響を受けて膵臓自体に慢性的な炎症が起こることで細胞が変性し線維化や石灰化などが生じる病気。進行すると膵臓の消化酵素やホルモンが適切に放出できなくなる

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9人の医師がチェック 86回の改訂 最終更新: 2017.06.15

慢性膵炎の基礎知識

慢性膵炎について

  • 膵臓が作る消化酵素体内で起こる化学反応を助け、速やかに反応が進むようにする物質の影響を受けて膵臓自体に慢性的ある病気や症状が、完全に治癒しないまま長期的に持続している状態のこと炎症体の免疫が防御反応を起こしている状態。原因は、感染、けが、免疫の異常(アレルギーなど)と様々。免疫が強く反応することで、熱、腫れ、痛みなどが出るが起こることで細胞が変性もともとの状態から、臓器の性状が変わること。多くの場合、何らかの病気の影響で、正常な機能が失われる状態に変化していくことが多い線維化臓器が機能を失ってしまうこと。それに伴って臓器は弾力を失い、本来の細胞が線維細胞と呼ばれる機能をもたない細胞に置き換わってしまうや石灰化などが生じる病気
    • 進行すると膵臓の消化酵素やホルモン体内で作られて、血流にのって体の特定の部位を刺激する物質。内分泌物質とも呼ばれるが適切に放出できなくなる
  • 主に大量の飲酒や過剰な自己免疫本来は外敵を倒すために働くはずの免疫が、何らかの異常によって自分の体を攻撃してしまう状態が原因で起こる
    • 男女別に見ると、女性では原因の分からない特発性その病気や状態が引き起こされた原因が、未だ判明していないこと慢性膵炎が多い
    • そのほか、胆石によって膵液の流れが悪くなって膵炎になることもある
  • 膵石という石が膵管や膵臓内にできることがある
    • 膵液がうっ滞することで膵石ができると考えられている
    • 膵石があると膵液の流れを滞らせてしまうことがある
    • 膵液がうっ滞する⇨膵石ができる⇨さらに膵液がうっ滞する、といった悪循環に至ることがある
  • 慢性膵炎は膵がんのリスクを上げると言われている

慢性膵炎の症状

  • 6か月以上の間、上腹部から背部痛が続く
    • 飲酒や脂肪食の後に痛みが強くなる
    • 痛みは前かがみになると軽くなりやすい
  • 消化酵素体内で起こる化学反応を助け、速やかに反応が進むようにする物質が十分に出ないため、体重減少や下痢がおこる
  • 膵炎が進んでインスリン膵臓から出る、血糖値を下げる方向に働くホルモン。インスリンの欠乏や作用不足が糖尿病の原因となる血糖血液中のブドウ糖のこと。人が活動するためのエネルギー源。血液中の濃度を血糖値といい、糖尿病の診断に用いられる値を下げるホルモン体内で作られて、血流にのって体の特定の部位を刺激する物質。内分泌物質とも呼ばれる)が出なくなると糖尿病になる
  • ほかの症状
    • 吐き気
    • 嘔吐
    • 食欲不振
    • 腹部膨満お腹が張った感じがすること。原因としては、便やガスが腸に溜まったり、腹水が溜まったりすることによる感(お腹が張る)  など

慢性膵炎の検査・診断

  • 血液検査:膵臓の機能などを調べる
  • 画像検査:膵炎の原因を調べたり、膵臓の腫瘍細胞が増殖してできるこぶのようなもの。あまり悪さをしない良性腫瘍と、体に強い害を与えることの多い悪性腫瘍に分類されるがないかなどを調べる
    • 腹部CT検査X線(放射線)を用いて腹部の状態を調べる検査。肝臓や腸などの内蔵から骨や筋肉まで、様々な組織の状態を確認することができる
    • 腹部超音波検査空気の細かな振動である超音波を使って、腹部の状態を調べる検査
    • MRI磁力(電磁波)を用いて、脳や内臓、筋肉、骨などの組織を詳しく調べる検査(MRCP)検査
  • ERCP鼻もしくは口から小さいカメラを入れて、膵臓や胆管、胆のうの状態を調べる検査内視鏡自在に曲がる管の先にカメラがついていて、体の奥を覗くための機械。有名なのは胃カメラや大腸カメラだが、様々な太さや用途がある的逆行性胆管肝臓で作られた消化液を十二指腸まで運ぶ管。肝臓の内部にある肝内胆管と、肝臓の外にある肝外胆管に分けられる膵管造影造影剤と呼ばれる注射薬を使用して、そのままでは画像検査で写りにくいものが写るようにすること検査):膵液の流れに影響を与える、結石や腫瘍がないかを調べる

慢性膵炎の治療法

  • 膵臓の炎症体の免疫が防御反応を起こしている状態。原因は、感染、けが、免疫の異常(アレルギーなど)と様々。免疫が強く反応することで、熱、腫れ、痛みなどが出るの程度として、血液検査の値、画像検査の結果、疼痛医学用語で、痛みのこと、飲酒の有無、合併症ある病気や治療によって引き起こされる、別の病気や病態のことの有無から重症度をみて、外来治療か入院治療かを判断する
  • 基本的な治療
    • 禁酒
    • 脂肪を制限した食事
    • 鎮痛薬
  • 消化不良の症状がひどい場合は消化酵素体内で起こる化学反応を助け、速やかに反応が進むようにする物質を補充する
  • インスリン膵臓から出る、血糖値を下げる方向に働くホルモン。インスリンの欠乏や作用不足が糖尿病の原因となるが不足している場合はインスリン治療を行う
  • 膵石など膵臓の器質的な異常に対しては、以下のような治療を行う場合もある
    • 衝撃波による石の破砕 (ESWL)
    • 内視鏡自在に曲がる管の先にカメラがついていて、体の奥を覗くための機械。有名なのは胃カメラや大腸カメラだが、様々な太さや用途がある治療
    • 手術

慢性膵炎に関連する治療薬

膵炎治療薬

  • 膵液に含まれるタンパク分解酵素を阻害し膵臓の炎症による腹痛、吐き気などを改善する薬
    • 膵臓から出される膵液には膵臓自体を消化してしまう作用もあり、これにより膵臓に炎症がおこる場合もある
    • 膵液にはタンパク分解酵素などが含まれていてこれが膵臓に炎症をもたらす
    • 本剤はタンパク分解酵素阻害作用をあらわす
  • 血液凝固因子(血液が固まる要因となるもの)の阻害作用などをもつ薬剤もある
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