やくしん
薬疹
薬剤が原因で起こる皮膚の様々な症状の総称。全身に赤いボツボツが出る。
11人の医師がチェック
119回の改訂
最終更新: 2022.03.30
薬疹の基礎知識
POINT 薬疹とは
薬剤が原因で起こる発疹全般を指します。発疹の種類はじんましんのようなものや赤い丸いものや、地図のような発疹など、その種類は様々です。目や口がただれ、陰部の痛みなどの症状がある場合は重症な薬疹の可能性があるので、注意が必要です。対応としては原因薬剤の中止が望ましいです。ただ、中止が難しい薬剤の場合は、ステロイド外用薬を使い、発疹の改善に努めます。薬を飲み始めて発疹が出現した際には、処方されている先生に相談するか皮膚科を受診してください。
薬疹について
- 薬剤が原因で起こる皮膚のさまざまな症状の総称
- 全身に赤いボツボツが出て、腫れたりする
全身に発疹が出て皮膚の症状はさまざまなタイプがある
光線過敏型薬疹:薬剤に加えて光線の刺激で皮疹が起こるものもある
固定薬疹:特定の部位のみに薬疹が出る病型もある
一度ある薬剤で薬疹を起こした人が、同じ系統の別の薬でも薬疹が現れることがある
薬疹の中で、命に関わる重症型もある
- スティーブンス・ジョンソン症候群
- 中毒性表皮壊死症(TEN)
- 薬剤性過敏症症候群(DIHS)
薬疹の症状
- 皮膚の様々な変化が現れる
- 全身に赤い発疹ができる
- 腫れる
- 出血する
- 重症の場合、目や口などの粘膜が荒れて水ぶくれやびらんができる
- 普通の湿疹と違い、体の広い部分に左右対称に広がることが多い
薬疹の検査・診断
- 薬剤の服用、病歴についての問診:原因となる可能性のある薬剤を調べる
- 血液検査:薬剤以外にも皮疹の原因となりうる病気がないかを調べる
薬疹の治療法
- 薬剤が原因として疑われる場合はその薬剤を中止することが基本
- 薬剤を中止することで皮疹が改善することも多い
- 症状が強い場合は、ステロイドの塗り薬や抗ヒスタミン薬の飲み薬を用いて治療する
- 重症では入院し、ステロイド薬の内服や点滴治療が必要
- 服用している薬を中止して症状が治まるかどうかを確認することが基本
- 元の病気の治療を継続する必要性から疑われる薬剤を中止することが難しく、皮膚の症状が軽い場合には、必要に応じて継続していくこともある
- 同じ薬を再び飲むと以前よりひどい症状となることがある
- 予防、再発予防方法
- 一度薬疹の原因と疑われた薬を把握しておき、今後飲まないようにする
- 新しい薬を飲み始めてから全身に発疹が出た場合は主治医または皮膚科に相談する
- 中止することが難しい場合もあるため、自己判断をせずに主治医に相談することが望ましい
薬疹に関連する治療薬
副腎皮質ホルモン(ステロイド内服薬・注射剤)
- 抗炎症作用、免疫抑制作用などにより、アレルギー性疾患、自己免疫疾患、血液疾患などに効果をあらわす薬
- 副腎皮質ホルモンの一つのコルチゾールは抗炎症作用、免疫抑制作用、細胞増殖抑制作用、血管収縮作用などをもつ
- 本剤はコルチゾールを元に造られたステロイド薬
- 本剤は薬剤のもつ作用持続時間によって、(作用の短い順に)短時間作用型、中間型、長時間作用型に分けられる
- 本剤は多くの有益の作用をもつ反面、副作用などに注意が必要となる
- 副作用の軽減目的のため、抗菌薬や胃薬などを併用する場合もある
副腎皮質ホルモン(ステロイド外用塗布剤・噴霧薬など)
- 抗炎症作用や免疫抑制作用などにより、皮膚炎などにおける湿疹、痒み、赤みなどを和らげる薬
- アレルギー性の皮膚症状は何らかの原因によりアレルギー反応がおこり湿疹や痒みなどがあらわれる
- 副腎皮質ホルモンは抗炎症作用、免疫抑制作用、細胞増殖抑制作用、血管収縮作用などをもつ
- 本剤は副腎皮質ホルモンを元に造られたステロイド外用薬
- 乾癬などの免疫異常による皮膚症状の治療に使用される場合もある
- 本剤は作用の強さによって大きく5段階に分類される
- 作用の弱い順に、V群(ウィーク)、IV群(マイルド)、III群(ストロング)、II群(ベリーストロング)、I群(ストロンゲスト)に分けられる
- 本剤の剤形には、軟膏剤、クリーム剤、液剤などがあり薬剤によっては用途などに合わせた選択が可能な場合もある
この記事は役に立ちましたか?
MEDLEY運営チームに、記事に対しての
感想コメントを送ることができます
薬疹が含まれる病気
薬疹のタグ
薬疹に関わるからだの部位
