やくしん
薬疹
薬剤が原因で起こる皮膚の様々な症状の総称。全身に赤いボツボツが出る。
11人の医師がチェック 118回の改訂 最終更新: 2017.12.06

Beta 薬疹のQ&A

    薬疹の原因、メカニズムについて教えて下さい。

    薬疹は投与された薬剤、または薬剤が体内で代謝されできた物質によって誘導される皮膚・粘膜の病気です。メカニズムとして薬剤に対するアレルギー反応によって生じるものと、アレルギーによらないもの(薬剤の毒性など)に大きく分けられます。

    薬疹は、どのくらいの頻度で起こる病気ですか?

    薬疹は薬剤ごとに頻度が異なりますが、数%以内という報告が多いです。

    薬疹が発症しやすくなる、または薬疹の人が他に注意すべきことはありますか?

    薬疹は成人の方が小児よりも、女性の方が男性よりも発症しやすいです。また、以前に薬疹が発症した方は、別の薬剤でも薬疹が生じるリスクが高くなります。家族内で薬疹を起こした人がいる場合も(特に抗生剤)、リスクが高くなります。アトピー素因(喘息、アトピー性皮膚炎)を持っている方は重篤な薬疹を起こすリスクが増加します。 その他、HIVを含めたウイルスに罹っている人は特定の薬剤に対する薬疹が生じることがあります。薬剤の飲み合わせによっても薬疹が生じることがあるので、どの薬剤を服用しているか普段からまとめておくと良いでしょう。

    薬疹は、他人にうつる病気ですか?

    基本的にはうつる病気ではありませんが、麻疹など感染力が高いウイルス感染症による皮膚症状を薬疹と誤診される場合がありますので、皮膚症状が薬剤によるものかどうか、正確に判断する必要があります。

    薬疹は、遺伝する病気ですか?

    家族の中で薬疹に罹った方がいる場合は(特に抗生剤)、そうでない場合と比較して薬疹が発症しやすい傾向にあると言われています。

    薬疹は、どんな症状で発症するのですか?

    薬疹の発症時期は薬剤を投与されてから、1時間以内で発症するものから数週間、数ヶ月後に発症するものまで多彩です。抗生剤・造影剤は5日から2週間服用後発症することが多いです。高血圧治療薬などは数ヶ月、時に数年後に発症することがあります。 薬疹の症状は薬剤毎に丘疹、水疱、蕁麻疹など様々な皮膚症状を示します。また重篤な症状の一つとして口唇、眼周囲、外陰部が赤く腫れる場合もあります。

    薬疹の、その他の症状について教えて下さい。

    その他の症状としては全身倦怠感、発熱、眼痛・眼瞼結膜の充血、呼吸苦・喘鳴、リンパ節腫大、肝脾腫、腎障害などが挙げられます。

    薬疹は、どのように診断するのですか?

    薬疹は、皮膚症状が薬剤によるものかどうか診断するところから始まります。 診断に関して最も重要なのは薬剤の服用歴と皮膚症状です。どのような薬剤を服用したかに関してはサプリメント、市販薬も重要です。また一時的に服用していたものも、服用中止後数週間で薬疹が発症する場合もありますので注意が必要です。 皮膚症状に関しては何時、どこに、どのような症状が出現したかが重要です。その中で痛みを伴う全身性の紅斑・水疱や皮膚粘膜びらんからの出血はStevens-Johnson症候群、中毒性表皮壊死症などの重篤な病変のサインで注意が必要です。 その他、血液検査、皮膚検査、リンパ球刺激試験などがありますが最終的に薬剤の中止で消退、再投与にて症状が誘発されれば診断が確定します(継続投与にて症状が改善する例外もあります。)

    薬疹の、その他の検査について教えて下さい。

    薬疹はウイルス感染症でも同様の症状を認めることがあり、麻疹、風疹、水痘、EBウイルス、マイコプラズマ、単純ヘルペスなどの抗体価を測定します。膠原病も疑う場合は抗核抗体なども測定します。 重症の場合は皮膚生検を行います。 その他アレルギーに伴う薬疹の場合は皮膚試験、リンパ球刺激試験を行いますが、個々の薬剤によって結果が異なることがあり注意が必要です。

    薬疹と診断が紛らわしい病気はありますか?

    ウイルス感染症、膠原病と紛らわしい場合があります。これらの疾患も皮疹が出現することがあり、検査にて区別する必要があります。

    薬疹の治療法について教えて下さい。

    まず第一に薬疹の原因となる薬剤の服用中止です。 その他は症状の重篤度に合わせて抗ヒスタミン薬、副腎皮質ステロイド、血漿交換、大量ヒト免疫グロブリン製剤、免疫抑制剤などを行います。

    薬疹の薬は、生涯飲み続けることになるのですか?

    薬疹が改善すれば終了です。一度薬疹が出た薬を再度使用すると薬疹が出現するので注意しましょう。再度薬疹が出た場合は、薬疹に対する薬を再度使用しなければなりません。

    薬疹は、再発を予防できる病気ですか?

    薬疹は原因となる薬剤を服用しなければ基本的には発症しません。しかし、今まで薬疹を起こしたことがある方は、他の薬剤でも薬疹が生じるリスクがありますので注意が必要です。 その他重要なこととしては、症状が薬剤によるものかどうかは医療者でも簡単に判断できるものではなく、自分で薬疹と思っていても実は無関係の場合が比較的多いことです。皮膚に症状が出現した際は、薬剤を自己中断するのでなく、病院に受診してから薬剤を中止するかどうか判断しましょう。

    薬疹が重症化すると、どのような症状が起こりますか?

    重症薬疹としてStevens-Johnson症候群、中毒性表皮壊死症、薬剤過敏症候群などが 挙げられます。発熱を認めることが多く、薬疹は痛みを伴って早急に全身に紅斑や・水疱が広がります。その他口唇などの粘膜にもびらんや出血が生じることがあります。時に眼に眼痛や充血を認めることがあります。