つめはくせん(つめみずむし)
爪白癬(爪水虫)
爪に発生する水虫(白癬)の一種
6人の医師がチェック 146回の改訂 最終更新: 2022.03.30

爪白癬(爪水虫)の基礎知識

POINT 爪白癬(爪水虫)とは

爪白癬はいわゆる水虫の原因菌です。爪白癬は白癬菌と呼ばれる菌が爪に感染を越した状態です。通常の手や足の皮膚に感染するような場合よりも治療に時間がかかることが多いです。よくある症状は、爪の変色や変形です。あまり痒みや痛みを感じないことも特徴です。治療は飲み薬(抗真菌薬)を3ヶ月以上飲む場合が多いです。 検査は、白癬菌の感染が疑われる爪の一部を採取して顕微鏡で調べたり培養を行います。どこででもできる検査ではないため、爪白癬を疑っていたり困っていたりする人は皮膚科や感染症内科を受診するようにしてください。

爪白癬(爪水虫)について

  • 爪に発生する水虫白癬)の一種
    • 足の親指に多い
    • 足白癬手白癬の悪化に伴う
    • 白癬菌というカビの一種が、ケラチンというタンパク質を主食として繁殖していく
  • 白癬患者の約20%
    • 日本では10人に1人
    • 男性に多い 男女比3:2
  • 白癬はカビの一種であるため、高温多湿(20-40度の温度と60%以上の湿度)のジメジメした環境を好む
  • 爪の肥厚や変形が高齢者の起立、歩行障害、転倒事故の原因になることも指摘されている

爪白癬(爪水虫)の症状

  • 爪の変形・変色
    • 爪が白色や黄色に濁る
    • 爪がポロポロと欠ける
    • 爪が厚くなる
    • 爪が変形する
  • かゆみなどの自覚症状はほとんどない

爪白癬(爪水虫)の検査・診断

  • 顕微鏡検査:疑われる場合には爪の一部を採取して、顕微鏡で白癬菌が見つかれば診断が確定する

爪白癬(爪水虫)の治療法

  • 真菌薬の内服薬を3ヶ月は使用して治療する
    • ラミシール
    • イトラコナゾール
    • ただし、抗真菌薬の飲み薬は副作用のチェックのため採血が定期的に必要になることもあり、高齢者や内臓の病気のある方ではすすめられないこともある
  • 家族内でうつることも多いため、家族に水虫の人がいれば早めから治療を開始する
  • 悪化や再発を防ぐため気を付けること
    • 部屋の風通しを良くする
    • 足をよく洗い清潔にする
      • 湿ったままにしない
    • 足に触れるものはこまめに洗濯する
  • 長期的な経過
    • 爪白癬は一度治ったように見えても再発する可能性がある
    • 爪が完全に生え替わるには、手の爪で半年、足の爪で1年ほどかかる

爪白癬(爪水虫)に関連する治療薬

テルビナフィン(内服薬)

  • 真菌(カビ)の細胞膜の合成を阻害し、白癬症などの真菌感染症を治療する薬
    • 白癬症やカンジダ症などは真菌によっておこる感染症で、白癬症は感染部位によって爪白癬(爪水虫)、足白癬(水虫)などにわかれる
    • 真菌は細胞膜により覆われていて、この細胞膜がないと生存できない
    • 本剤は真菌の細胞膜合成を阻害し、抗真菌作用をあらわす
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爪白癬(爪水虫)の経過と病院探しのポイント

爪白癬(爪水虫)が心配な方

爪白癬爪水虫)では、主に足の爪にさまざまな変化が生じます。爪が厚くなったり、色が白や黄色っぽく変化したり、そしてポロポロと爪が欠けたりします。足の爪の方が頻度が高いですが、手の爪であっても同様に発症する感染症です。典型的なものは、慣れた人が見ればかなりの割合で爪白癬だと診断がつけられますが、本当に白癬かどうかを確定するには、はがれた皮膚を採取して顕微鏡で観察します。

ご自身が爪白癬でないかと心配になった時には、一度お近くの皮膚科クリニックで相談してみることをお勧めします。白癬は皮膚科の中でも最もメジャーな病気の一つです。悩む前に診察を受けて、診断をはっきりさせた方が治療に取り組みやすくなります。

なお、薬局やコンビニエンスストアでも水虫薬を販売しているところがありますが、爪水虫に効果が十分にあるものはまだ市販されていません。

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爪白癬(爪水虫)でお困りの方

爪白癬の治療には、塗り薬とが基本です。皮膚のがさつきが強く治療効果が不十分の場合には内服薬を使用することもあります。爪白癬については、診断がつき次第その場で治療が開始されますし、治療の方法にもバリエーションが少ないため、どのような治療を受けるか迷う余地は少ない病気かもしれません。爪白癬であるのになかなか診断がつかずに複数の病院を渡り歩く必要があるということはあまりありません。

ただし治療が長引くことは高い頻度であります。爪そのものが入れ替わるまで根気強く治療を続けることが必要です。症状が外見上治まるタイミングと、本当に菌がいなくなるタイミングにはズレがあります。見た目上治ったからと言ってそこで治療を中断してしまうとまた再発して治療が仕切り直しになってしまうため、場合によっては半年から1年単位で、通院しながら治療を行うことが必要となります。

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