あなふぃらきしー
アナフィラキシー
強いアレルギー反応により、窒息など命の危険が引き起こされた状態
17人の医師がチェック 135回の改訂 最終更新: 2022.03.07

アナフィラキシーの検査について

アナフィラキシーの診断には問診が重要です。皮膚のかゆみ、蕁麻疹じんましん)、のどのかゆみ・違和感や息苦しさ、ふらつきなどが突然現れ、急激に進んでいく場合、アナフィラキシーを強く疑います。また、臓器傷害の程度や原因物質を調べるために血液検査を用います。

1. アナフィラキシーが疑われた時の検査について

アナフィラキシーかどうかを考える上では、どういう症状がどのように出てきたのかということが何よりも大事です。そのため、アナフィラキシーと診断するためには、問診が特に重要な役割を担っています。検査としては血液検査などが行われますが、これは内臓の状態の確認や原因物質を調べるために行われます。

問診

問診はアナフィラキシーの診断をする上で重要な役割を担っています。皮膚のかゆみ、蕁麻疹じんましん)、のどのかゆみ・違和感や息苦しさ、ふらつきなどが突然現れ、急激に進んでいく場合、アナフィラキシーを強く疑います。加えて以前にアナフィラキシーを起こしたものを食べた後に、これらの症状が現れた場合にはアナフィラキシーの疑いは更に強くなります。アナフィラキシーは急速に進んでいく病気であり、問診からアナフィラキシーが疑われる場合には緊急で治療が必要です。

血液検査

血液検査はアナフィラキシーの重症度を考える上で重要な検査です。アナフィラキシーは重症なものだと、全身の臓器に傷害を及ぼすことがあります。全身の臓器の状態を確認するために血液検査を行います。
血液検査では血液中の酸素濃度なども測定することができます。のどの奥(喉頭)や気管の浮腫(ふしゅ)により酸素が肺に入らなくなると特に危険です。これらが起こっていないか見極める上でも血液中の酸素濃度を測るのは有用な検査と言えます。

2. アナフィラキシーを起こした原因物質を調べる検査について

もう一つアナフィラキシーで検査を行う意義として、アナフィラキシーを起こした原因物質(アレルゲン)を調べることが挙げられます。ただし、アレルゲンを調べる検査というのは非常に精度が高いわけではなく、アナフィラキシーを起こした物質がわからなかった時に参考程度に行うものになります。

血液検査

アナフィラキシーの原因物質を推定する血液検査にはRAST(radioallergosorbent test、放射性アレルゲン吸着試験)というものがあります。アナフィラキシーはアレルゲンが体内に入った時に、アレルゲンに反応するIgE(アイージーイー)という物質が作られることで起こります。したがって、アナフィラキシーが起こった人の中にあるIgEが反応する物質を探すことで、アレルゲンを推定するという検査がRASTです。

皮膚検査

アナフィラキシーの原因物質を推定する皮膚検査としてはプリックテストスクラッチテストなどが挙げられます。これはアレルゲンと疑わしい物質を皮膚に少量注射し、注射した部位でのアレルギー反応が見られるか(具体的には注射部位が赤く腫れるか)を確認します。RASTなどの血液検査では検査できる項目が限られているのに対し、皮膚検査では皮膚に投与できるものであれば、なんでも調べられるというメリットがあります。

一方で、皮膚検査ではアレルゲンを注射することでまれにアナフィラキシーを起こすことがあります。検査は細心の注意を払って行われますが、検査の施行にあたっては主治医から検査の必要性、危険性の説明を受け、十分に理解した上で行うようにしてください。万一、検査後に気分が悪くなったり、体調不良を自覚される場合には、医療機関で相談するようにしてください。