2020.10.19 | コラム

ハロウィンはピーナッツアレルギーに御用心!?

子どもにお菓子をあげるときは、アレルギーに配慮したほうがよさそうです
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トリック・オア・トリート(Trick or Treat)!!

今年もハロウィンの時期がやってきました。新型コロナウイルスの感染拡大に注意した楽しみ方が求められる一方、他にも注意すべきことがあるかもしれません。

先月カナダ医師会雑誌に掲載された論文で
ハロウィンやイースターには、子どものナッツ類アレルギーが増加する
という発表がありました[1]。

ハロウィンシーズンということで、今回は一風変わったこちらの論文を紹介してみたいと思います。

 

1. 研究方法

この研究は2011年4月から2020年1月の間に、ナッツ類アレルギーによる重大な全身反応「アナフィラキシー」を起こして救急受診した1,390人のカナダの子ども(18歳未満)を対象として行われました。子どもの年齢の中央値は5.4歳で、685人がピーナッツによるアナフィラキシーでした。

1,390人のアナフィラキシー発症日について、ハロウィン(10月31日)、クリスマス(12月25日)、イースター(3-4月の日曜日)などの祝日と、他の日でアナフィラキシーの発症率に差があるかどうかを検証しました。

 

2. 研究結果

解析の結果、ハロウィンではピーナッツによるアナフィラキシーが1.86倍、詳細不明のナッツ類によるアナフィラキシーが1.66倍多く起きていることが分かりました。同様にイースターの時期もそれぞれ1.57倍、1.71倍増加していました。これらのアナフィラキシーは6歳以上(小学生以上)で特に多く見られました。

しかし、クリスマスなどの祝日ではアナフィラキシーを起こした子どもは増えていませんでした。

 

3. 考察

なぜハロウィンとイースターでアナフィラキシーが多く起きたのでしょうか。この理由を知るカギはカナダの文化にありそうです。

カナダを含めた欧米ではハロウィンやイースターに、他人の子どもへお菓子をあげる文化があります。アレルギーに注意しないで子どもにお菓子を与えてしまうことにより、ハロウィンやイースターでアナフィラキシーが多く起きてしまった可能性が考えられます。

一方で、欧米のクリスマスは気心知れた家族で過ごすことが多いイベントです。そのため、アレルギーを起こしうる食べ物を子どもに与えることは少なく、アナフィラキシーは増えなかったと想定されます。

 

この研究の限界

この研究には6つの病院しか参加しておらず、カナダの子ども全員の状況を反映していない可能性はありえます。また、1,390人のデータではやや不十分であり、ハロウィンやイースターの時期は他の季節的要因でアナフィラキシーが多いだけである、といった可能性も否定はできません。

それでも、文化的な背景を考えると結果に合理的な説明がつき、とても興味深い研究と言えそうです。

 

4. 教訓

ハロウィンの時期に限らず、日本でも他人の子どもにお菓子をあげる機会はあると思います。ピーナッツ・ナッツ類は鶏卵、牛乳、小麦などに次いで子どもがアレルギーを起こしやすい食品です[2]。お菓子などを他人の子どもにあげるときには、アレルギーの有無を先に保護者に確認するなど慎重な判断をしたほうがよさそうです。

 

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。