前立腺肥大症の症状について:頻尿や夜間頻尿など
前立腺肥大症になると、排尿開始の遅れや
1. 前立腺肥大症の主な症状
前立腺肥大症の代表的な症状は尿の出にくさです。膀胱の出口付近にある
- 尿を溜める機能が不十分なために現れる症状:蓄尿症状
- 尿意切迫感
- 頻尿
- 夜間頻尿
- 切迫性尿失禁
- 尿を出すときに現れる症状:排尿症状
- 尿がなかなか出ない(排尿開始の遅れ)
- 排尿時間が長くなる
- 尿の勢いが弱い(尿線細小)
- 排尿時に不快感がある
- 尿が途中で止まる(尿線途絶)
- 失禁してしまう(溢流性尿失禁)
- 尿が出せなくなる(尿閉)
- 排尿後に雫のように垂れてしまう(終末時滴下)
- 尿を出した後に現れる症状(排尿後の症状)
- 残尿感
初期の前立腺肥大症では、軽度の排尿困難と夜間頻尿、排尿不快感などの症状が現れます。その後、前立腺肥大症の進行に合わせて、排尿困難感が次第に増強し、初期症状に加えて残尿感、尿意切迫感や切迫性尿失禁などが現れます。
2. 前立腺肥大症が進行すると起こりやすくなる病気とその症状:膀胱結石・膀胱炎・腎不全
前立腺肥大症が深刻な状態になるとそれに引き続いて膀胱結石・膀胱炎・腎不全といった病気を引き起こすことがあります。
膀胱結石
前立腺肥大症により尿の流れが悪くなると、尿の成分が結晶化して、膀胱の中に結石ができることがあります。膀胱結石ができると「排尿時に痛みを感じる」や「常に排尿に行きたいような感じがする」、「赤い色の尿が出る」などの症状が現れます。膀胱結石は強い症状の原因になるので、すみやかに治療する必要があります。
膀胱炎
本来、膀胱の中にはほとんど
腎不全
前立腺肥大症がかなり進行すると、尿が出にくくなり、膀胱やその上流である腎臓に尿が溜まります。腎臓に尿が溜まった状態が長く続くと、腎臓の機能が低下します。腎臓の機能が低下した状態を腎不全といいます。腎不全は初期症状はないことが多いのですが、進行すると、「身体のだるさ」や「吐き気」「足の
参考文献
- 日本泌尿器科学会/編, 「前立腺肥大症
診療ガイドライン 」, リッチ・ヒルメディカル, 2011 - 「標準泌尿器科学」、(赤座英之/監)、医学書院、2014
- 「泌尿器科診療ガイド」(勝岡洋治/編)、金芳堂、2011