2017.01.18 | ニュース

前立腺肥大症で尿のトラブルに…新しい薬は効く?

文献48件の調査から
from European urology
前立腺肥大症で尿のトラブルに…新しい薬は効く?の写真
(C) vchalup - Fotolia.com

男性の前立腺は加齢とともに肥大し、尿が途切れる、夜中に何度もトイレに起きてしまうなどの下部尿路症状を起こします。治療に使われる主な薬の効果として、これまでに報告されている内容がまとめられました。

前立腺肥大症による下部尿路症状に対して、使われる薬の効果と副作用を調べた研究を紹介します。
この研究は、過去の文献を集める方法で、以下の治療についてすでに報告されているデータを比較しています。

  • α遮断薬
  • 抗ムスカリン薬(抗コリン薬)
  • β3作動薬
  • PDE5阻害薬
  • 以上を組み合わせる方法

α遮断薬は日本の「男性下部尿路症状診療ガイドライン」でも勧められている、よく知られた薬です。
効果を比較するため、症状の重さを表すスコア(国際前立腺症状スコア)、生活の質を表すスコアを基準としました。

 

調査で見つかった研究報告のうち、一定の基準を満たした48件の研究のデータが採用されました。
報告された内容を統合すると、α遮断薬に比べてほかの薬の効果は以下のように見積もられました。

  • 抗ムスカリン薬とα遮断薬の併用:α遮断薬と同程度の効果で、副作用は増える
  • PDE5阻害薬:α遮断薬と同程度または劣る
  • β3作動薬:証拠が足りず判断不能

研究班は「前立腺肥大症による下部尿路症状を治療するために新たに使われる薬のいずれも、またどの組み合わせも、従来のα遮断薬治療より勝る転帰を示さなかった」と結論しています。

 

α遮断薬にほかの薬が勝る効果の証拠が見つからないという結果でした。

ただし、新しい薬の効果の証拠が積み上がるには時間がかかります。新しい研究報告によりデータが増えることで、また使い方が洗練されるなどの変化によって、将来は違った結論が出る可能性もあります。

現状として知られていることがこのように要約されることで、ひとりひとりの患者の考え方に合わせて治療法を選ぶための材料とすることができます。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Comparative Effectiveness of Newer Medications for Lower Urinary Tract Symptoms Attributed to Benign Prostatic Hyperplasia: A Systematic Review and Meta-analysis.

Eur Urol. 2016 Oct 4. [Epub ahead of print]

 

[PMID: 27717522]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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