めんえきぐろぶりん(あいじーじー、あいじーえー、あいじーえむ)
免疫グロブリン(IgG, IgA, IgM)
1人の医師がチェック 1回の改訂 最終更新: 2025.09.24

基準値(参考)

IgG:800-1800 mg/dL
IgA:100-400 mg/dL
IgM:40-220 mg/dL

数値が高いとき

  • 増加している免疫グロブリンが1種類(単クローン性)の場合
  • 増加している免疫グロブリンが複数種類(多クローン性)の場合
    • 肝疾患、慢性感染症悪性腫瘍膠原病 など

数値が低いとき

原発性免疫不全症(無γグロブリン血症、重症複合型免疫不全症(SCID)、選択的IgA欠損症、Wiskott-Aldrich症候群)、続発性免疫不全症 など

詳細

私たちの身体には、体内に侵入した病原体を認識して排除する、免疫という働きが備わっています。免疫グロブリン(抗体)は抗体産生細胞によって作られ、病原体と結合することでそれを排除するために一役を担っています。
血清総蛋白、アルブミン、赤沈、尿蛋白などの検査で異常が疑われた場合に、血清免疫グロブリンを測定します。免疫グロブリン(抗体)は2本のH鎖(重鎖)と2本のL鎖(軽鎖)から構成されており、H鎖の種類によってIgG, IgA, IgM, IgD, IgEの5つにわけることができます。ここではIgG, IgA, IgMについて説明します。IgEについては、IgEのページを参照してください。

免疫グロブリンの種類と役割

ここでは5つの免疫グロブリンのうち、IgG, IgA, IgMについて紹介します。

(1)IgG
血清中に最も多く存在する免疫グロブリンです。体内に侵入してきた病原体と結合して、白血球が病原体を排除するのを助けたり、補体系という免疫系のシステムを活性化したり、病原体の出す毒素を中和したりしています。

(2)IgA
血清中にも存在しますが、多くは喉や気管支、腸などの粘膜に存在しています。粘膜への病原体の侵入を防いでいます。

(3)IgM
体内に病原体が侵入すると最初に産生される免疫グロブリンです。病原体に初めて感染した時の免疫応答に重要な役割を担っています。

数値が高いとき

免疫グロブリンが異常高値になっているとき、増加している免疫グロブリンが1種類(単クローン性)であるか、複数種類(多クローン性)であるかを考えることが原因を調べるうえで役立ちます。
免疫グロブリンは形質細胞と呼ばれる免疫細胞が産生します。増加している免疫グロブリンが1種類の場合には、1種類の形質細胞のみが異常に増殖していることが想定され、形質細胞のがんである多発性骨髄腫などが疑われます。増加している免疫グロブリンが1種類であるか、複数種類であるかを調べるためには、免疫電気泳動法という詳細な検査が必要になります。
増加している免疫グロブリンが1種類であるか、複数種類であるかによって次のような病気が考えられます。

(1)増加している免疫グロブリンが1種類(単クローン性)の場合

  • MGUS(意義不明の単クローン性免疫グロブリン血症):IgG, IgA, IgMのいずれかが高値
  • 多発性骨髄腫:IgG, IgA, IgM, IgD, IgEのいずれかが高値(M蛋白以外の免疫グロブリンは減少)
  • 原発性マクログロブリン血症:IgMが高値
  • H鎖病:IgG, IgA, IgMのいずれかが高値

など

(2)増加している免疫グロブリンが複数種類(多クローン性)の場合

  • 肝疾患、慢性感染症、悪性腫瘍、膠原病など

数値が低いとき

免疫グロブリンが少ない状態は、免疫が低下していること(免疫不全症)を意味しています。免疫不全症には、出生時にすでにみられる原発性免疫不全症と、生まれたあとに薬剤やHIVウイルス感染による続発性免疫不全症があります。