糖尿病の薬、副作用の低血糖が多いのはどれ?

糖尿病の飲み薬の副作用の中でも、血糖値が下がりすぎる低血糖は特に起こりやすく、緊急で対処しなければ命に関わります。実際の統計から、薬の種類ごとに低血糖の頻度は違い、腎臓の状態が悪い人では特に危険性が高かったことが報告されました。
◆メトホルミンとSU剤を比較
ここで紹介する研究は、イングランドの統計を解析することにより、糖尿病治療薬を飲んだときの低血糖の頻度を調べています。
糖尿病治療薬の中でも、
◆SU剤は低血糖が多く、特にグリベンクラミドが多い
次の結果が得られました。
スルホニルウレア単剤を使用中の人で、低血糖のリスクはメトホルミン単剤を使用中の人に比べて
有意 に増加した(調整ハザード比2.50、95%信頼区間2.23-2.82)。スルホニルウレア単剤使用中の人で高かったリスクは、eGFRが30ml/min/1.73m2未満の人ではさらに増加した(4.96、3.76-6.55)。低血糖のリスクは[...]グリベンクラミド使用中の人で有意に高かった(7.48、4.89-11.44)。
メトホルミンだけを飲んでいた人よりも、SU剤だけを飲んだ人のほうが高い頻度で低血糖を起こしていました。特に
研究班は「腎機能が30ml/min/1.73m2未満の患者では、スルホニルウレア治療は注意深く検討されるべきである」と結論しています。
執筆者
Risk of hypoglycaemia in users of sulphonylureas compared with metformin in relation to renal function and sulphonylurea metabolite group: population based cohort study.
BMJ. 2016 Jul 13.
[PMID: 27413017]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。