2016.02.05 | ニュース

ロボット型のスーツで再び歩けるように、脊髄損傷治療に新しい可能性

文献調査による検証

from Journal of neuroengineering and rehabilitation

ロボット型のスーツで再び歩けるように、脊髄損傷治療に新しい可能性の写真

脊髄は、背骨の中を通る太い神経です。けがなどで、この神経がダメージを受けて運動機能に障害が起こると、歩くことも困難になってしまうことがあります。今回の文献調査でロボット型のスーツが歩行能力回復に効果があるか調べられました。

◆ロボット型のスーツで歩行リハビリ

ロボット型のスーツは人間の身体機能の向上、及び、補助を目的として作られた人体に装着可能な装置です。ロボット型のスーツは介護者の筋力補助や歩行リハビリの補助として使われます。

今回の研究では、研究論文のデータベースから、外骨格スーツを使った歩行リハビリの影響を研究した文献、15件が調べられました。そして、それぞれの研究から歩く速さのデータが集められました。

 

◆ロボット型のスーツで歩行可能に

次の結果が得られました。

外骨格スーツを装着した際の歩行困難者(84人)の平均歩行速度は0.26m/sだった。ほとんどの歩行困難者は胸椎レベルの完全運動障害を持っていた。

脊髄損傷のため歩くことが困難な人が外骨格スーツを装着すると、ゆっくり歩ける程度まで、歩行能力が回復したことが報告されました。

 

最近では、ロボット型のスーツが、医療用ロボットでの治療として初めて保険適応とされることに決まるなど、歩行リハビリにロボット型のスーツを活用することが認められてきています。今後のロボット技術の進歩により、更なる歩行能力の改善が期待できるのではないでしょうか。

 

【訂正6/13】題名および本文中に「ロボットスーツ」という字句を含む表現がありましたが、「ロボットスーツ」はCYBERDYNE株式会社の登録商標でありこの記事で指示するものと必ずしも一致しないため、「ロボット型のスーツ」または「外骨格スーツ」と訂正しました。

執筆者

宮本 望都喜

参考文献

Gait speed using powered robotic exoskeletons after spinal cord injury: a systematic review and correlational study.

J Neuroeng Rehabil. 2015 Oct 14.

[PMID: 26463355]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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