せきずいそんしょう

脊髄損傷

骨の中を通る太い神経である脊髄が障害されて、感覚機能や運動機能に障害がおこる

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7人の医師がチェック 80回の改訂 最終更新: 2017.06.15

脊髄損傷の基礎知識

脊髄損傷について

  • 脳から背骨背骨のこと。頚椎、胸椎、腰椎に分かれるの中を通る太い神経(脊髄脳から脊椎の中へ向かって通っている太い神経。脳と体の各部位を行き来する指令を伝える役割をもつ神経)が障害されて、感覚機能や運動機能に障害がおこった状態
    • 強い外力により背骨が骨折したり、首や背中が後ろに曲がったりすることで、脊髄にダメージが及ぶことが原因となる
  • 主な原因
    • 交通事故
    • 高いところからの転落
    • 靭帯骨と骨をつないでいる丈夫な組織。関節を作る役割を果たしているの石灰化(後縦靱帯骨化症):直接的な原因ではないが、脊髄損傷を起こしやすくなる原因の一つ
    • 浅いプールに頭から飛び込んで顔をぶつけることで、頭が背中側に強くそることで頚髄の損傷を起こすことがある
  • 年に約5000人が発症症状や病気が発生する、または発生し始めること
    • 男性に多い
  • 完全損傷と不完全損傷の2つに分けられる

脊髄損傷の症状

  • 症状は損傷した部位による
    • 基本的に高い位置で脊髄損傷が起こると、重症になる
    • 首の位置で損傷が起こると(頚髄損傷)、首から下の感覚や運動などに障害がでる(部位によっては呼吸ができなくなり植物状態や死に至ることがある)
    • 場所によっては下半身のみの症状になったりする
  • しばしば出る症状は以下である
    • 運動麻痺神経の障害により、手足などに十分な力が入らない、感覚が鈍くなるなど、身体機能の一部が損なわれること
    • 感覚障害
    • 排尿
    • 排便障害便秘や便失禁(がまんができず、漏らしてしまうこと)といった症状の総称
  • その他に自律神経内臓の活動を調整している神経。交感神経と副交感神経を併せた総称障害が起こり、血圧や体温が一定に保たれなくなることもある

脊髄損傷の検査・診断

  • 画像検査:骨折がないかなどを調べる
    • レントゲンX線(放射線)を使って、体の中の状態を簡易的に調べる画像検査検査
    • CTX線(放射線)を用いて、体の内部を画像化して調べる検査検査
    • MRI磁力(電磁波)を用いて、脳や内臓、筋肉、骨などの組織を詳しく調べる検査検査:脊髄脳から脊椎の中へ向かって通っている太い神経。脳と体の各部位を行き来する指令を伝える役割をもつそのものの障害を調べるために最も重要な検査

脊髄損傷の治療法

  • 治療
    • 手術:関節固定術(背骨背骨のこと。頚椎、胸椎、腰椎に分かれるの固定を行い、リハビリテーションを早期から行えるようにするため、あるいはそれ以上症状の進行を起こさないために行う)
    • 薬物療法:ステロイド薬副腎で作られるホルモンの1つ。ステロイドホルモンを薬として使用すると、体の中の炎症や免疫反応を抑えることができるため、様々な病気の治療で用いられているが使用されることもあるが、それを含め、確実に有効とされる治療薬はない
    • 筋弛緩薬:脊髄損傷を起こすと筋肉は過剰に固くなってしまうため、それを柔らかくするための対症療法病気による症状自体を抑えるための治療。病気の根本の原因を治す治療(根本治療)と区別される
    • 鎮痛薬:手術後の痛みを軽減する
    • リハビリテーション:生活に必要な動作の獲得、体の働きを一部改善する
  • 長期的な経過
    • 長期的にリハビリを行い、残った体の中での働き(動く筋肉や感覚)を使って生活や職業復帰ができるようにすることが必要
    • 下半身麻痺神経の障害により、手足などに十分な力が入らない、感覚が鈍くなるなど、身体機能の一部が損なわれることで車いす生活になることもあるため、必要に応じて生活しやすいように生活環境を調整すること(家の改修など)が必要

脊髄損傷に関連する治療薬

筋弛緩薬

  • 脳から筋肉への筋肉緊張の伝達を抑え筋弛緩作用をあらわし、痛みやしびれ感などを緩和する薬
    • 筋肉の緊張状態が続くと、肩こり、腰痛、頭痛などがおこりやすくなる
    • 筋肉の緊張は脳から脊髄を経て筋肉に指令が伝わることでおこる
    • 本剤は脳→脊髄→筋肉と伝わる筋肉緊張の伝達などを抑えて筋肉の緊張を緩和する作用(筋弛緩作用)をあらわす
  • 筋肉がつっぱったまま動かなくなる痙性麻痺などに使用する薬剤もある
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