2016.02.20 | コラム

「イボ」と「魚の目・タコ」の違いは何?正しく鑑別すべき疾患の解説

「イボ」と「魚の目・タコ」の違いは何?正しく鑑別すべき疾患の解説の写真
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この記事のポイント

1.イボの分類とその頻度は?どんな人に起きやすい?
2.たこ(駢胝:べんち)や魚の目(鶏眼:けいがん)と間違えやすい足底疣贅
3.性感染症(STD)の一種、尖圭コンジローマ・ボーエン様丘疹症

イボ(尋常性疣贅)は、感染源のウイルス(HPV)のタイプや臨床症状、発症部位などにより分類され、臨床診断名が付けられています。それぞれの特徴や症状、また他の疾患と鑑別すべき疾患について解説します。

◆イボの分類とその頻度は?どんな人に起きやすい?

  • イボ(尋常性疣贅
  • 足底疣贅
  • ミルメシア(myrmecia)
  • 色素性疣贅
  • 尖圭(せんけい)コンジローマ(=コンジローム)
  • 扁平疣贅
  • ボーエン(Bowen)様丘疹

これらは全てイボ、つまり尋常性疣贅の仲間です。何をもって上記のような診断名が付けられるかというと、主に感染源のウイルス(ヒト乳頭腫ウイルス=ヒトパピローマウイルスHPV)の型(タイプ)発症した部位・イボのなどの性状の違いなどによります。

頻度としては尋常性疣贅が最も多く、次いでミルメシア、扁平疣贅、尖圭コンジローマ、ボーエン様丘疹症などが多いと言われています。

欧米では、全人口の7〜10%ほどが疣贅にかかり、そのうちの30%ほどが10〜14歳であったとの報告も出ている事から、比較的小児に発症しやすい病気です。

 

◆たこ(駢胝:べんち)や魚の目(鶏眼:けいがん)と間違えやすい足底疣贅

皮膚にできた”できもの”は尋常性疣贅以外にも多種多様あり、治療方法や経過もそれぞれ違うため、他の疾患と正しく判別する事が必要です。足底疣贅を例に挙げ、解説します。

足底疣贅は、足にできるイボの一種です。これはタコや魚の目と間違えられやすく、治療を誤るとかえって悪化する可能性もあるため、正しい判別が大切です。では、具体的にどのような違いがあるのでしょう?

  • 足底疣贅尋常性疣贅と同じ組織ですが、足の裏にできるため体重がかかり、突起したイボが皮膚にのめり込み、平らになったものです。のめり込んだ疣贅の周りを、硬くなった皮膚が覆って、見た目にイボが見えない状態になります。タコや魚の目と違い、表面を削ってダーモスコピー(皮膚表面を拡大して観察できる検査用具)で観察すると出血があるという特徴があります
  • 魚の目(鶏眼:けいがん):皮膚の一点に、圧迫や摩擦などの刺激が長い間加わることにより、皮膚の角質が硬くなり、蓄積して厚くなる事によってできるものです。厚くなった角質の中心が、芯のように硬くなって皮膚の内側へ侵入するため、魚の目のような見た目になるため、この名称がつきました。押すと痛みを感じることが多いです。
  • たこ(駢胝:べんち):魚の目と同じ原因でできるものですが、芯はできず、比較的広い範囲で均一に角質が厚く硬くなるため、痛みを伴いません触った感覚が少し鈍くなる事があります。

上記の3つの疾患は見た目は似ていますが、それぞれに治療方法が異なります。尋常性疣贅はウイルス感染によるもので、削ったりすると他の部位にうつってしまうことがあるため、確定診断は医師に任せましょう。

 

◆性感染症(STD)の一種、尖圭コンジローマ・ボーエン様丘疹症

陰部にできるイボの中には、性感染症の一種であるものもあります。例を挙げて解説します。

  • 尖圭コンジローマ(せんけいこんじろーま):外陰部や肛門周囲に、鶏冠状(にわとりのとさかの様な形)、カリフラワー状の皮疹が多発し、HPV−6、11などの型のウイルスが検出されます。主に性行為で感染する、性感染症の一種です。潜伏期間は2〜3ヶ月と言われています。
  • ボーエン様丘疹症(ぼーえんようきゅうしんしょう):青壮年の外陰部や肛門周囲に多発する、黒っぽい色調の丘疹で、HPV−16の型のウイルスが検出されます。通常自覚症状はありません。ほとんどが悪性化する事なく、自然消退する場合もあります。

これらは基本的に臨床症状から診断が可能ですが、正確に鑑別するために病理組織検査をする場合もあります。尖圭コンジローマかボーエン様丘疹症か、もしくは尋常性疣贅ではない他の疾患か、正しく判別する事で正しい治療やより正確なその後の経過の予測などができるためです。

 

尋常性疣贅の原因であるヒト乳頭腫ウイルスは感染性のあるウイルスで、人から人へ、また、部位から部位へうつる可能性がある疾患です。自己判断で対処すると他者へ感染を広げてしまったり、自ら患部を拡大してしまう恐れもあるため、医師の診察を受け、適切な対処をしましょう。

執筆者

名原 史織

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。


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