イボ(尋常性疣贅)の原因はウイルス感染?正しい治療に必要な正しい診断の基準の解説

この記事のポイント
2.診断のポイント①視診〜見た目の違いは何?〜
3.診断のポイント②問診〜発症のきっかけは何?〜
4.診断のポイント③その他〜必要な検査はあるの?〜
イボ(尋常性疣贅:じんじょうせいゆうぜい)とは、ヒト乳頭腫ウイルスの感染が原因で、顔、首、手、足、身体などにできる”できもの”の事を指します。他のできものと判別するために行われる診断の基準について解説します。
◆HPVが感染してイボができる
イボ(尋常性疣贅)がなぜできるかご存じでしょうか?イボは、意外にも
このウイルスは200種類以上の遺伝子型(HPV型)があり、ほとんどが
皮膚にできるできものは、尋常性疣贅の他にも様々な疾患があります。これらはどのように判別して診断しているのでしょうか?診断において重要視されるポイントについて解説します。
◆診断のポイント①視診〜見た目の違いは何?〜
一つめのポイントは見た目の違いです。一言で”できもの”と言っても、色・形・部位・性状など、見た目の違いは多種多様です。これを、目でよく見て観察して特徴を得ます。尋常性疣贅のうち、特徴的な見た目の例を幾つか挙げます。
- 尋常性疣贅:手足全体にできやすい。小さい
皮疹 から始まり、イボ状に盛り上がって数mm〜数cm大まで大きくなる。一つだけぽつんとできる(単発性)事もあるが、多くの場合は集合していくつもできる(多発性)。 - 足底疣贅:足底(足の裏)に生じる。体重がかかり、突起した疣贅(いぼ)が皮膚にのめり込み、平らになる。のめり込んだ疣贅の周りを、硬くなった皮膚が覆う。
- ミルメシア(myrmecia):手のひらや足の裏にでき、見た目はドーム状。赤みや押すと痛い事が多い
- 色素性疣贅(しきそせいゆうぜい):くろいぼとも呼ばれる。性質は尋常性疣贅のようだが、色が黒い。
- 糸状疣贅(しじょうゆうぜい):顔面や頭、首にできる事が多い。直径数mmの、細長く糸状に伸びた形をしている。
このように、ウイルス性疣贅の中でも見た目の違いは様々です。
◆診断のポイント②問診〜発症のきっかけは何?〜
いぼの診断のポイントとして、見た目の違い以外にも、
HPVは皮膚のごく小さい傷から侵入して感染します。よって、手荒れ、肌荒れ、カミソリ負け、靴擦れ、ケガ、などの傷の有無や既往を確認する事も重要な情報となります。また、HPVは人から人へ感染する可能性もあるため、家族や身近な人の感染の有無も確認します。尖圭コンジローマやBowen病(ボーエン病・ボーエン様
◆診断のポイント③その他〜必要な検査はあるの?〜
尋常性疣贅と確定したり、他のできものと
病理組織検査は、いぼの一部(または全部)の組織を観察して、悪性であるか良性であるか調べたりします。HPVタイピング検査とは、200種類ほどある遺伝子型でどの型のウイルスかを調べ、例えば子宮頸がんや尖圭コンジローマの可能性を調べる検査です。
視診・問診などにより、悪性疾患である可能性やハイリスクな疾患である可能性があると考えられる場合にこれらの検査が行われ、治療方針の決定に役立ちます。
できものはできものでも、疾患は多種多様で、治療方法や
執筆者
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。