2016.01.29 | ニュース

リズム音を使った歩行訓練が体の片側が麻痺してうまく歩けない人に効果

18人を対象にして検証
from Yonsei medical journal
リズム音を使った歩行訓練が体の片側が麻痺してうまく歩けない人に効果の写真
(C) libyphhoto - Fotolia.com

脳性麻痺や脳卒中によって、片麻痺(体の左右の片側が麻痺してしまう)状態になってしまい、うまく歩けなくなることがあります。片麻痺患者の歩行にリズム音を使った歩行訓練がどのような効果をもたらすか調べられました。

◆ リズム音を使った歩行訓練の効果

片麻痺患者の歩行パターンは、健常者に比べて、左右非対称になってしまいます。今回の研究は、脳性麻痺脳卒中を患った、片麻痺患者18人を対象に行われました。対象者は全員リズム音を使った歩行訓練を4週間行いました。歩行訓練は一週間に3回、毎回30分行われました。

 

◆ 歩行パターンが改善

次の結果が得られました

リズム音を使った歩行訓練は片麻痺を患った患者の、股関節内転、膝の屈曲、足首の背曲による近位と遠位の運動学的関節の動きをともに有意に改善した。そして、動的歩行指数(GDI)、非対称な立脚期と遊脚期が改善した。

リズム音を使った歩行訓練を行うと、左右非対称だった歩行パターンに改善が見られました。

 

今回の研究では、リズム音なしで歩行訓練だけを行ったグループとは比較されなかったため、実際にリズム音を使った歩行訓練がどれだけの効果を片麻痺患者にもたらすかは解明されませんでした。しかし、片麻痺患者の歩行パターンが改善した、という結果には変わらないので、リズム音を使う歩行訓練の可能性が示されたのではないでしょうか。

執筆者

宮本 望都喜

参考文献

Effect of Rhythmic Auditory Stimulation on Hemiplegic Gait Patterns.

Yonsei Med J. 2015 Nov.

[PMID: 26446657]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。