2016.01.14 | ニュース

血の塊を防ぐ薬、効きすぎて出血したらやめるべき?

4,602人のデータを解析
from BMJ (Clinical research ed.)
血の塊を防ぐ薬、効きすぎて出血したらやめるべき?の写真
(C) kerenby - Fotolia.com

血の塊(血栓)ができにくいようにする薬は、脳梗塞などを防ぐために使われますが、出血を引き起こす危険性もあります。胃や腸からの出血が実際に起こったあとでも続けるべきかが検討されました。

◆出血したあと、薬を再開するとどうなる?

心房細動という不整脈があると、心臓の中で血栓ができやすくなり、血栓が脳に流れて血管を塞いでしまうことで、脳梗塞の原因になると言われています。このため心房細動がある人には、血栓を防ぐ薬(抗凝固薬または抗血小板薬)が使われることがありますが、血液が固まりにくくなることで脳出血のほか胃や腸などの出血が起こりやすくなるため、バランスを考える必要があるとも言われています。

この研究は、心房細動があり、抗凝固薬または抗血小板薬を使っていた人が、胃や腸からの出血により入院治療を受けたあと、抗凝固薬や抗血小板薬を再開することでその後の経過にどんな違いがあるかを調べました。

対象者として、平均年齢78歳の4,602人が特定され、治療の決定には研究者が関わることなく、個々の判断で実際に行われた治療と、治療後の経過が追跡調査されました。

 

◆再開したほうが全死亡減少

次の結果が得られました。

治療の再開をしなかった場合に比べて、全死因死亡率の減少が経口抗凝固薬の再開(ハザード比0.39、95%信頼区間0.34-0.46)、抗血小板薬の再開(0.76、0.68-0.86)、経口抗凝固薬と抗血小板薬の併用(0.41、0.32-0.52)と関連して[...]見られた。

死因を問わず全体としての死亡率を比較すると、抗凝固薬または抗凝固薬を再開したほうが、再開しなかった人よりも死亡率が低くなっていました

 

血栓のリスクと出血のリスクはバランスが難しいとされ、長年議論されています。血栓を防ぐ治療や出血を止める治療については新しい研究が重ねられつつあり、それによって治療の考え方も変わる可能性があります。

この結果は現時点の情報として、治療方針を選ぶ参考になるかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Stroke and recurrent haemorrhage associated with antithrombotic treatment after gastrointestinal bleeding in patients with atrial fibrillation: nationwide cohort study.

BMJ. 2015 Nov 16.

[PMID: 26572685]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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