前立腺がん検診の新モデル 検診は改善するのか?

前立腺がん検診で用いられるPSA検査は、前立腺肥大症などでも高値になる事があるため、高値であっても確定するにはより詳しい検査が必要になります。今回スウェーデンの研究チームがSTHLM3モデルという新しい検査法の精度を検証しました。
PSA検査は前立腺がんを敏感に発見できますが、前立腺肥大症や前立腺炎でも同様に高い値を示してしまいます。検査の値が高かった場合、
◆58,818人を対象に検証
研究チームは、50~69歳の前立腺癌のない男性58,818人を対象に、彼らの開発したモデルが、
STHLM3モデルでは、血液検査に加えて、臨床データ(年齢、家族歴、以前の前立腺生検)の組み合わせによって、前立腺がんのリスクを判定します。
◆STHLM3モデルは前立腺がんの検知に優れている
STHLM3モデルはPSA検査と比較して悪性度の高い前立腺がんの検知に優れていました(精度を表すAUCという指標が、PSAで0.56 のところSTHLM3で0.74)。
この方法を使えば、32%生検を減らすことができ、結果が
前立腺がんでは「検診のしすぎ」も大きな問題になっており、リスクをともなう生検を必要な人にだけ行なう方法が求められます。検診法の改善のためにはコストをふくむ多くの角度からの検討が必要であり、この新しいモデルがPSAを置き換えられるかどうか、検証が始まっています。
執筆者
Prostate cancer screening in men aged 50-69 years (STHLM3): a prospective population-based diagnostic study.
Lancet Oncol. 2015 Nov 9
[PMID: 26563502]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。