2015.12.29 | ニュース

前立腺がん検診の新モデル 検診は改善するのか?

STHLM3モデルの診断精度を検証
from The Lancet. Oncology
前立腺がん検診の新モデル 検診は改善するのか?の写真
(C) rocketclips - Fotolia.com

前立腺がん検診で用いられるPSA検査は、前立腺肥大症などでも高値になる事があるため、高値であっても確定するにはより詳しい検査が必要になります。今回スウェーデンの研究チームがSTHLM3モデルという新しい検査法の精度を検証しました。

PSA検査は前立腺がんを敏感に発見できますが、前立腺肥大症前立腺炎でも同様に高い値を示してしまいます。検査の値が高かった場合、生検(針で前立腺の組織を取り出す検査)をのちに行うことになり、周りの臓器を傷つけるなどのリスクもあります。

 

◆58,818人を対象に検証

研究チームは、50~69歳の前立腺癌のない男性58,818人を対象に、彼らの開発したモデルが、悪性度の高い前立腺がんの診断精度を高めることができるか検証しました。

STHLM3モデルでは、血液検査に加えて、臨床データ(年齢、家族歴、以前の前立腺生検)の組み合わせによって、前立腺がんのリスクを判定します。

 

◆STHLM3モデルは前立腺がんの検知に優れている

STHLM3モデルはPSA検査と比較して悪性度の高い前立腺がんの検知に優れていました(精度を表すAUCという指標が、PSAで0.56 のところSTHLM3で0.74)。

この方法を使えば、32%生検を減らすことができ、結果が良性となるような生検を44%はぶくことができると見積もられました。

 

前立腺がんでは「検診のしすぎ」も大きな問題になっており、リスクをともなう生検を必要な人にだけ行なう方法が求められます。検診法の改善のためにはコストをふくむ多くの角度からの検討が必要であり、この新しいモデルがPSAを置き換えられるかどうか、検証が始まっています。

参考文献

Prostate cancer screening in men aged 50-69 years (STHLM3): a prospective population-based diagnostic study.

Lancet Oncol. 2015 Nov 9

[PMID: 26563502]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

MEDLEYニュース新着記事