2015.12.20 | ニュース

小学生がサッカーの練習をすると1000時間あたり0.6回けがをする

417のケガを分析
from The American journal of sports medicine
小学生がサッカーの練習をすると1000時間あたり0.6回けがをするの写真
(C) makieni - Fotolia.com

前十字靭帯損傷やアキレス腱損傷は、サッカーやバスケットボールなどで見られるケガのひとつです。今回の研究では、小学生を対象にサッカーで起こるケガとその特徴を調査しました。

◆小学生のサッカーではどのくらいの頻度でケガが起こる?

今回の研究では、小学生を対象に、サッカーをすることでどのようなケガが多く、どのくらいの頻度でケガをするのか検証しました。

集計の対象にするケガは、試合や練習を完遂できないケガ、試合や練習に続けて参加できないケガ、医学的な注意が必要なケガとしました。

 

◆関節と靭帯の損傷が多く、1000時間あたり0.6回ケガをする

以下の結果が得られました。

すべてのケガのうち、関節と靭帯の損傷が30.5%、打撲が22.5%、筋肉と腱の損傷18.5%、骨折と骨の損傷が15.4%であった[...]。

全体のケガの発生はトレーニング中のサッカーをしている1000時間あたり0.61回(95%信頼区間0.53-0.69)であり、試合中では4.57回(95%信頼区間4.00-5.23)であった。

サッカーによるケガは、関節と靭帯の損傷が最も多く、ケガ全体ではトレーニング中で1000時間あたり0.61回、試合中で4.57回のケガが起きるという結果でした。また、サッカーに復帰するまでに28日以上を要した子どもは23.7%でした。

 

小学生のサッカーの試合を仮に1試合40分とすると、サッカーは22人で行うため、全員がサッカーをする時間は計880分(約14.5時間)となります。1000時間あたり、4.57回ケガが起きるということは、約219時間に1回ケガが起きることになります。このことから、おおよそ15試合に1回は何かしらのケガが起きる可能性があると解釈することができます。 この数を多いと捉えるか、少ないと捉えるかは人次第であると思いますが、ケガの予防を考えるうえで参考になるかもしれません。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Soccer Injuries in Players Aged 7 to 12 Years: A Descriptive Epidemiological Study Over 2 Seasons.

Am J Sports Med. 2015 Dec 8

[PMID: 26646513]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。