2015.10.08 | ニュース

ボディービルダーの性ホルモン乱用が招いた結果とは?

コホート研究による検証

from The American journal of sports medicine

ボディービルダーの性ホルモン乱用が招いた結果とは?の写真

タンパク同化ステロイド(AAS)は、筋力増強剤として、スポーツ選手のドーピングに使われることもあります。研究グループは、過去のデータを分析し、AASと腱断裂の関連性を分析しました。

◆過去のデータからタンパク同化ステロイドと腱断裂の関連性を分析

研究グループは、35-55歳の男性ボディービルダー142人を対象に、タンパク同化ステロイド(AAS)と腱断裂の関連性を検証しました。長期間AASを乱用していた88人とAASを使用したことのない54人に対し、それぞれの群において、腱断裂の発症歴や損傷状態を調べました。

 

◆AAS使用者は未使用者に比べて腱断裂を起こしやすい

AAS使用者のうち19人(22%)が、AASの使用歴のない者は3人(6%)が過去も含めて腱損傷歴があることを報告しました。

研究の結果を以下に示します。

AAS使用者とAAS未使用者の初発腱断裂のハザード比は9.0であった(95%信頼区間、2.5-32.3、P<0.001)。数名の男性は、過去に2回以上の腱断裂があったことを報告した。

この結果は、追跡期間の2年間においてAAS使用者はAAS未使用者の9倍腱断裂が起こりやすいという結果を示しています。

 

メカニズムは明らかになっていませんが、性ホルモン乱用の危険性が改めて示されているのかもしれません。

 

執筆者

NK

参考文献

Ruptured Tendons in Anabolic-Androgenic Steroid Users: A Cross-Sectional Cohort Study.

Am J Sports Med. 2015 Sep 11.

[PMID: 26362436]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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