2015.07.29 | ニュース

前十字靭帯損傷の手術から20年後、移植した膝蓋腱はどうなっていた?

オーストラリア90人の治療例
from The American journal of sports medicine
前十字靭帯損傷の手術から20年後、移植した膝蓋腱はどうなっていた?の写真
(C) rob3000 - Fotolia.com

スポーツなどで起こる膝の前十字靭帯損傷の治療として、切れた靭帯の代わりに自分の腱を移植する手術があります。オーストラリアの研究班が、手術を受けた人を20年後に検査した結果、95%の人が正常またはそれに近い状態だったことを報告しました。

◆膝蓋腱移植を受けた人が対象

研究班は、前十字靭帯損傷に対して膝蓋腱(膝の前面にある腱)自家移植の治療を受けた90人の患者を対象として、治療後20年間追跡し、膝の状態などを評価しました。

 

◆95%が正常またはおおむね正常

次の結果が得られました。

治療後20年で、32人(36%)の患者に新たな前十字靭帯損傷が起こった。うち8人(9%)は治療した側の足に、27人(30%)は反対側の足に受傷した(3人は両膝に受傷した)。

患者のうち、50%が激しい運動または非常に激しい運動に参加し、膝をついたときの痛みは63%にあった。

IKDC基準の臨床検査から、95%は正常またはおおむね正常の膝と判定された。

手術から20年間に、手術をした側の膝で再び前十字靭帯損傷があった人は9%、手術をしたのと反対側の膝に前十字靭帯損傷があった人は30%でした。手術後にある程度以上激しい運動をした人は50%で、症状や診察から判定したスコアは、95%の人で正常またはおおむね正常でした

 

一般に、腱移植のあとは再断裂することもあると言われますが、この研究では90%以上の人が、移植した部分は再断裂することなく20年を過ごしています。反対側の前十字靭帯損傷が30%の人に見られたことは、けがによって姿勢や体の動きに変化があったことを反映しているかもしれません。これらの結果は、手術を受けるときの長期的な見通しとして参考になるかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Twenty-Year Outcomes of a Longitudinal Prospective Evaluation of Isolated Endoscopic Anterior Cruciate Ligament Reconstruction With Patellar Tendon Autografts.

Am J Sports Med. 2015 Jul 17 [Epub ahead of print]

 

[PMID: 26187130]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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