電子たばこを吸えば一酸化炭素に曝される量が減る

喫煙により、肺がんや心筋梗塞の危険性を増すことは周知されていると思います。今回の研究では、禁煙方法のひとつである電子たばこの使用により、毒性の強い一酸化炭素に曝される程度が減少するということを報告しました。
◆4週間の電子たばこによる一酸化炭素と尿中ニコチンへの効果を検証
今回の研究では、33人の喫煙者を対象に、4週間の電子たばこ使用の効果を検証しました。
電子たばこの使用方法は、2群に分けました。ひとつは、喫煙をしながら電子たばこを使用する群、もうひとつは禁煙をして電子たばこを使用する群でした。
◆電子たばこを使用すると一酸化炭素濃度は減少する
以下の結果が得られました。
電子たばこのみの使用者(-12ppm、95%信頼区間-16から-7、80%減少)と両方の使用者(-12ppm、95%信頼区間-19から-6、52%減少)で一酸化炭素の
有意 な減少が観察された。
電子たばこを使用すると、禁煙しても喫煙しながらでも、電子たばこの使用前と比べてさらされる一酸化炭素は減少するという結果でした。
筆者らは、「電子たばこは、喫煙を続けている人でも害を減少するかもしれないが、それを証明するためには長期的な追跡研究が必要である」と述べています。
今回の研究結果から考えると、完全に禁煙することが難しいと考えている場合、まずは電子たばこの使用から始めてみることを検討しても良いのかもしれません。
執筆者
Effects of Switching to Electronic Cigarettes with and without Concurrent Smoking on Exposure to Nicotine, Carbon Monoxide, and Acrolein.
Cancer Prev Res (Phila). 2015 Sep
[PMID: 26333731]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。