プラダー・ウィリー症候群では脂肪肝のリスクが低い?

プラダー・ウィリー症候群は、肥満や発達の遅れといったさまざまな症状を表す先天性の病気です。しかし、イタリアなどの研究班が、プラダー・ウィリー症候群の患者では代謝に良い傾向が見られたことを報告しました。
◆21人の患者と42人の対照参加者を解析
プラダー・ウィリー症候群は、遺伝することはほとんど無いと考えられていますが、
この研究は、プラダー・ウィリー症候群の患者21人と、年齢や
◆対照群のほうがNAFLD G2ステージが多い
次の結果が得られました。
プラダー・ウィリー症候群患者は
有意 に良好な代謝 プロファイルを示した(腹囲、空腹時血糖 、HOMA-IR、コレステロール 、トランスアミナーゼ、体幹脂肪量/脂肪量比が低い)。さらに、NAFLD G1ステージ はプラダー・ウィリー症候群患者で有意に多く(P<0.05)、G2ステージは対照群で有意に多かった(P<0.05)。
対照群よりもプラダー・ウィリー症候群患者のほうが腹囲、血糖値、コレステロール値などが良好でした。また、肝臓の検査で見られた非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の程度が「G2ステージ」という段階にあった人は対照群のほうが多く、より軽度の「G1ステージ」にあった人はプラダー・ウィリー症候群患者のほうが多くなっていました。
研究班は「知る限り、この報告はプラダー・ウィリー症候群の子どもでNAFLDのリスクが減少することを示唆した初めてのものである」と述べています。
プラダー・ウィリー症候群がどのようなしくみで肥満などの
執筆者
Non-Alcoholic Fatty Liver Disease (NAFLD) in children and adolescents with Prader-Willi Syndrome (PWS).
Pediatr Obes. 2015 Jul 1 [Epub ahead of print]
[PMID: 26132376]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。