慢性C型肝炎に対するインターフェロンで肝細胞がんを減らす
C型肝硬変から肝細胞がんへの進行予防としてインターフェロン療法の有効性について、『科学的根拠に基づく肝癌診療ガイドライン』に記載されています。その根拠のひとつとなる2010年の論文を紹介します。
◆慢性C型肝炎へのインターフェロン療法の効果を検証
今回の研究は、慢性C型肝炎から肝細胞がんへの進行予防に対する
◆インターフェロン療法により肝細胞がんへ進行する確率が1/2以下に
結果として以下のことを報告しました。
1コースのインターフェロン療法は、肝細胞がんへの進行を予防した(相対リスク0.45、95%信頼区間0.31-0.65)。この予防効果は、不反応者でも見られた(相対リスク0.48、95%信頼区間0.25-0.90)。
慢性C型肝炎の患者にインターフェロン療法を行うと、C型肝炎が改善した人でも改善しなかった人でも肝細胞がんに進行するリスクがおよそ1/2にまで減少する効果が見られました。
筆者らは、「もし持続的に
『科学的根拠に基づく肝癌
現在では、C型肝炎に効果的な新薬も登場していますので、そのような薬も含め、選択肢として考える必要があるかもしれません。
執筆者
Meta-analysis: reduced incidence of hepatocellular carcinoma in patients not responding to interferon therapy of chronic hepatitis C.
Int J Cancer. 2010 Aug 15
[PMID: 19957327]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。