2015.05.23 | ニュース

C型肝炎の新薬グラジナ®・エレルサ®の成分、効果は「95%」

遺伝子型1型、4型、6型に有効
from Annals of internal medicine
C型肝炎の新薬グラジナ®・エレルサ®の成分、効果は「95%」の写真
(C) tashatuvango - Fotolia.com

C型肝炎ウイルス (HCV) にはいくつかの遺伝子型という種類があり、種類によっては特定の薬が効きにくいため、効きやすい薬を選んで治療されます。新しく作られた2種類の薬、グラゾプレビルとエルバスビルの併用療法は、HCVの中でも遺伝子型1型、4型、6型という幅広い種類に対する効果を期待して実際の患者に試され、対象者の95%で血中のウイルス量が少ない状態を達成できたと報告されました。

研究班は、HCV1型、4型、6型に感染し、以前にHCVの治療を受けたことのない成人を対象として、飲み薬のグラゾプレビルとエルバスビルによる治療をすぐに始めるグループと、比較のため偽薬を使ってからグラゾプレビルとエルバスビルの治療を始めるグループにランダムに振り分けました。

治療効果として、治療開始後12週間で血液中のHCVが少ない状態(SVR12)になったかどうかを評価しました。

 

試験から以下の結果が得られました。

421人の参加者のうち、194人(46%)が女性、157人(37%)が非白人、382人(91%)にHCV1型の感染があり、92人(22%)に肝硬変があった。

すぐにグラゾプレビル+エルバスビル投与を開始された316人の患者のうち、299人(95%、95%信頼区間92%から97%)がSVR12を達成した。

深刻な有害事象は、グラゾプレビル+エルバスビル投与中グループの9人(2.8%)、偽薬投与中グループの3人(2.9%)に起こり[...]、薬剤と関連すると思われる例はなかった。投薬中グループで最も多い有害事象は頭痛(17%)、疲労感(16%)、吐き気(9%)だった。

SVR12を達成した人は、すぐにグラゾプレビルとエルバスビルを始めた316人のうち299人(95%)でした。感染したウイルスの種類ごとに分けても、すべての種類について80%以上の人でSVR12が達成されていました。

薬が原因と思われる深刻な副作用が起こった人はひとりもいませんでした。多かった副作用は頭痛、疲労感、吐き気でした。

 

グラゾプレビルとエルバスビルは、アメリカで承認申請が目指されています(2015年5月現在)。C型肝炎ウイルスに対する新薬は最近続々と開発され、MEDLEYニュースでも以前にそのひとつを紹介しています

これらの新薬がウイルス性肝炎の治療を変えていくのでしょうか?

 

グラゾプレビルとエルバスビルの合剤(商品名ゼパティア)は2016年1月にアメリカ食品医薬品局(FDA)により承認されました。

日本では、2016年9月9日にグラゾプレビル(商品名グラジナ®)とエルバスビル(商品名エレルサ®)が併用されるものとして承認の可否を審議される予定です。

 

グラジナ®とエレルサ®は9月28日に「セログループ1(ジェノタイプ1)のC型慢性肝炎またはC型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善」を効能・効果として承認されました。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Grazoprevir-Elbasvir Combination Therapy for Treatment-Naive Cirrhotic and Noncirrhotic Patients With Chronic HCV Genotype 1, 4, or 6 Infection: A Randomized Trial.

Ann Intern Med. 2015 Apr 24

[PMID: 25909356]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

関連記事 おすすめ 人気記事 薬について知る 病気について知る 病院を探す
MEDLEYニュース新着記事