2015.08.26 | ニュース

心房細動は脳卒中の発症リスクを2倍に

44年間の継続調査により3,983名を分析

from The American journal of medicine

心房細動は脳卒中の発症リスクを2倍に の写真

心房細動がある人では脳梗塞が多いと言われ、『脳卒中治療ガイドライン2015』では、治療が強く勧められています。今回はその根拠のひとつとされる1995年の論文を紹介します。

◆心房細動とその後の脳卒中との関連を検証

心房細動が起こると心臓の中に血の固まりができ、その固まりが脳に流れていって細い動脈に詰まり、脳梗塞を起こすことがあります。そのため、心房細動と脳梗塞は関連すると言われています。

3,983名の男性を対象に、追跡調査によって心房細動が発症するかどうか、また心房細動が発症した場合、その後の脳卒中の発症リスクに変化があるかを検証しました。その他にも、狭心症などに関して記載されていますが、今回は脳卒中に限定して説明します。

 

◆心房細動は脳卒中の発症リスクを2倍にする

調査の結果、以下のことを報告しました。

心房細動は独立して、脳卒中のリスク(相対リスク2.07)、うっ血性心不全のリスク(相対リスク2.98)を増やした。

全死亡率は1.31倍に増え、心血管死亡は致死性の脳卒中を含んだ場合も(相対リスク1.41)、含まない場合(相対リスク1.37)も増えた。

心房細動があると脳卒中のリスクはおよそ2倍になり、全体として死亡率はおよそ1.3倍になると見られました。

 

『脳卒中治療ガイドライン2015』では、脳卒中の予防対策として、心房細動のコントロールが推奨されています。コントロールするための治療薬に関する論文は、今後紹介します。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

The natural history of atrial fibrillation: incidence, risk factors, and prognosis in the Manitoba Follow-Up Study.

Am J Med. 1995 May

[PMID: 7733127]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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