2015.08.21 | ニュース

最高血圧が160mmHg以上で脳梗塞のリスク3.5倍、脳出血のリスク6.1倍

日本人1,673名を10年間追跡調査

from Stroke; a journal of cerebral circulation

最高血圧が160mmHg以上で脳梗塞のリスク3.5倍、脳出血のリスク6.1倍 の写真

高血圧だと脳卒中が起こりやすいことは、ご存知の方も多いかと思います。今回は、『脳卒中治療ガイドライン2015』で今でも引用されている、脳梗塞や脳出血のリスクを検証している1982年の論文を紹介します。

◆脳卒中の発症と関連する要因を検討

今回の研究は40歳以上の日本人1,673名を10年間追跡し、脳卒中(脳梗塞、脳出血)の発症と関連する要因を検証しました。

 

◆脳梗塞のリスク、最高血圧160mmHg以上で脳梗塞のリスク3.5倍、脳出血のリスク6.1倍

調査の結果、以下のことを報告しました。

血圧高値が最も強いリスク因子であり、平均動脈圧は最も良い予測指標であった。

収縮期血圧と脳出血の関連はp<0.01で有意であり、脳梗塞と収縮期血圧の関連はp<0.05で有意であった。

脳梗塞、脳出血の発症と関連する要因のひとつに高血圧があり、最高血圧160mmHg以上で脳梗塞は3.5倍、脳出血は6.1倍、発症するリスクが高くなっていました。

 

高血圧と言っても幅が広いですが、今回の研究では最高血圧が160mmHg以上(II度高血圧)で脳卒中のリスクがかなり高くなりました。『脳卒中治療ガイドライン2015』に記載されている一般的な治療目標は、140mmHg未満です。そのため、今回の研究結果である160mmHgを下回るだけでは十分でない可能性もあります。脳卒中発症のリスクとして高血圧が関連するということの参考に、覚えておいてよいかもしれません。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Risk factors for cerebral hemorrhage and cerebral infarction in a Japanese rural community.

Stroke. 1982 Jan-Feb

[PMID: 7064181]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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