2015.07.23 | コラム

夏場に流行するウイルス性疾患②〔小児科に行く前に〕

アデノウイルス感染症、プール熱(咽頭結膜熱)について
夏場に流行するウイルス性疾患②〔小児科に行く前に〕の写真
(C)Maksim Shebeko- Fotolia.com

夏場に流行するウイルス性疾患にアデノウイルスによる感染症があります。プール熱(咽頭結膜熱)もアデノウイルス感染症の一種です。今回はアデノウイルス感染症について解説します。アデノウイルスに感染しても全ての方が「咽頭結膜熱(プール熱)」を発症するわけではありませんのでご注意ください。

◆アデノウイルスってどんなウイルス?

アデノウイルスは現在50程度の種類があり、A〜Fの6群に分類されています。それぞれのウイルスに番号が付けられていて、種類によって引き起こす症状が異なります。また、感染した個人の状態によってどのような症状が出るかが変わります。

潜伏期間は大体5〜7日間で、感染の経路としては、唾液、便、直接接触などです。免疫が付きにくく、さらに種類がたくさんあるため、何回も感染する場合があります

アデノウイルスに感染すると、肺炎上気道炎咽頭炎咽頭結膜熱プール熱)、流行性角結膜炎出血性膀胱炎、腸炎など、様々な病態を引き起こします。

その中でも、保護者の皆さんが良く耳にするのが、咽頭結膜熱プール熱だと思います。

咽頭結膜熱発熱、喉の炎症、目やに、目の充血を主とする病気です。プールでの感染も多く見られることから日本ではプール熱とも呼ばれています。熱が出て、頭痛、食欲不振、だるいなどという症状と咽頭炎による喉の痛み、結膜炎にともなう目の充血、目の痛み、目やになどの症状が出て3〜5日間程度持続します。

 

◆どうやって診断するの?

診断は、症状や流行の状況から判断し、咽頭の拭い液からの迅速検査、もしくは血液検査から確定診断します。咽頭結膜熱は学校保健安全法上、学校感染症に当たり、発症した場合には出席停止となり、症状がなくなって、2日後から登校可能となります

問題となるのが、咽頭の拭い液の迅速検査で陽性となり、症状としては喉の症状と熱の症状だけという場合です。これを咽頭結膜熱というのかという点です。

咽頭結膜熱の定義を感染症法の記載から見てみると、

「診断した医師の判断により、症状や所見から当該疾患が疑われ、かつ、以下の2つの基準をすべて満たすもの
①発熱・咽頭発赤
結膜充血
上記の基準は必ずしも満たさないが、診断した医師の判断により、症状や所見から当該疾患が疑われ、かつ、病原体診断や血清学的診断によって当該疾患と診断されたもの」

となっています。

定義からすると、熱と喉の赤みだけでは咽頭結膜熱ではないということになります。この場合には出席停止にはなりませんし、症状改善時の登園、登校許可書は必要になりません。しかし、病気というのは時間の経過とともに変化します。診断した時に熱と喉の症状だけでも、その後目の症状が出ることがありますので注意してください。

 

◆治療について

アデノウイルス感染症は、咽頭炎でも咽頭結膜熱でも根本的に治療する薬剤はありません。発熱は5日程度つづくことが多いですが、基本的にこまめに水分を摂取したり、症状を和らげる解熱剤などを使用しながらこどもの免疫力で治るのを待ちます。

他のウイルス感染症に比べやや症状が長くなりがちです。症状が長引くときには体力も落ちやすいため、しっかりとした対症療法が必要になります。

 

【編集部注】

この記事は、「キャップスクリニック」のサイトで公開中の記事をもとに作成しています。

http://www.caps-clinic.jp/forparents

執筆者

白岡 亮平

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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