巨細胞性動脈炎の原因は水痘帯状疱疹ウイルスなのか?

巨細胞性動脈炎は、血管に炎症が起こり、痛みや発熱などの症状が出る病気です。こめかみの位置にある側頭動脈に炎症が現れやすく、眼につながる動脈が障害されて失明の原因になることもあります。原因は不明ですが、免疫の異常により自分自身の体が攻撃されてしまうこと(自己免疫)が関わっていると考えられています。アメリカの研究班が、水痘帯状疱疹ウイルスが巨細胞性動脈炎患者に高い割合で見つかったことを報告しました。
◆水痘帯状疱疹ウイルスを検索
研究班は、巨細胞性動脈炎の患者4人と、巨細胞性動脈炎のなかった13人の側頭動脈に、
水痘帯状疱疹ウイルスは、水痘や帯状疱疹の原因になる
◆抗体の結果が完全に一致
検査の結果、巨細胞性動脈炎があった4人全員に、水痘帯状疱疹ウイルスに対する
抗体がある人は、現在または過去に水痘帯状疱疹ウイルスに感染したことがある可能性が大きく、DNAが見つかった人には、水痘帯状疱疹ウイルスの感染が続いている可能性が大きいと考えられます。
研究班は「水痘帯状疱疹ウイルスは巨細胞性動脈炎の原因になるかもしれない」と推定しています。
水痘帯状疱疹ウイルスと巨細胞性動脈炎の関係については、最近しばしば議論されています。ウイルス感染をきっかけに
執筆者
Varicella Zoster Virus in Temporal Arteries of Patients With Giant Cell Arteritis.
J Infect Dis. 2015 Jul 15
[PMID: 26116729]
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