2015.06.28 | ニュース

突然死した患者から故障したペースメーカーが発見された

サンフランシスコの突然死11人に植え込み型装置の問題

from JAMA internal medicine

突然死した患者から故障したペースメーカーが発見されたの写真

ペースメーカー、植え込み型除細動器(ICD)は心臓が正常なリズムで脈を打つのを助けるため、体の中に手術で植え込んで使われる装置です。心室細動や心室頻拍という危険な不整脈が始まったとき、ICDは素早く感知して心臓に電気を送ります。これらの装置の故障が突然死につながることはないのか、アメリカのサンフランシスコの研究班が突然死した人を解剖して調べたところ、11人で装置に何らかの問題が見つかりました。

◆ペースメーカー、ICDを入れていて突然死した人を解剖

研究班は、突然死した人でペースメーカー不整脈の治療に用いる小型の機械。心臓に電気刺激を与えて、脈を一定にコントロールするまたはIC医師からの説明を受けながら、患者自身が治療や検査の方針を自ら選んでいく手順のことDを使っていた人を対象として、解剖により死因を詳しく調べました。

 

◆22人中11人に装置の問題

次の結果が得られました。

517人の突然死のうち22人(4.3%)で心臓の植え込み型電子機器が使われていた。解剖の結果、6人に心臓以外の死因が見つかった。ペースメーカーを使っていた突然死者の14人中6人、ICDを使っていた突然死者の8人中7人が心室頻拍または心室細動による死亡だった。装置の関連が半数(ペースメーカー4件、ICD7件)に同定され、そのうち3件に死に直結したと見られるハードウェアの故障(1件はバッテリーの早期枯渇とペーシング出力の突然の低下、2件はリード断裂)、5件にICDの心室細動不検出があった。1個のICDはプログラムの問題により心室細動を見逃した。1件では装置の選択が適切でなかった。ペースメーカー依存何かしらの刺激や快楽を繰り返し経験した結果、求める欲求が抑えられなくなり、精神的にも肉体的にもそれ無しでは異常をきたしてしまう状態肺炎があった1人の患者にはリード断裂の関連が見られた。

ペースメーカー、ICDを使っていた22人が対象となり、そのうち11人に装置の問題が見つかりました。見つかった問題として、

  • バッテリーが切れていた
  • 電気を伝える導線が切れていた
  • 心室細動が起こっていたのに、ICDが感知しなかった
  • プログラムに問題があった
  • 患者に合わない種類の装置が使われていた

などがありました。

研究班は「現在の受動的なサーベイランスの努力では、装置の機能不良を少なく見積もる恐れがある」と述べています。


これらの問題を含めても、全体としてペースメーカーやICDは効果があるとされています。しかし、突然死を完全にゼロにできるわけではなく、まれにはこうした場合もありえるようです。

執筆者

大脇 幸志郎


参考文献

Sudden Death in Patients With Cardiac Implantable Electronic Devices.

JAMA Intern Med. 2015 Jun 22 [Epub ahead of print]

 

[PMID: 26098676]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。 [執筆者一覧]