2015.05.01 | ニュース

スマホアプリでパーキンソン病を検出!?

アプリのタスク成績で判定、イギリス研究チームが開発

from Parkinsonism & related disorders

スマホアプリでパーキンソン病を検出!?の写真

パーキンソン病とは手を中心としたふるえ、動作緩慢、小刻み歩行といった症状があらわれ、一度発症すると治療が難しい病気です。 今回、イギリスの研究チームはスマートフォンによる検査方法がパーキンソン病の症状を特定することができ、診断を補助する有効なツールになりうると報告しました。

◆自宅でスマートフォンを使ってチェック

20人の参加者全員に、声、姿勢、歩行、手のタッピング、反応時間を評価できるアプリケーションをインストールしたスマートフォンを使用して、1か月の間自宅で1日4回、5つのタスクを行ってもらいました。

週に1回、専門医が遠隔診療で、運動能力などを見るパーキンソン病の症状の評価基準(UPDRS)から一部を除いた評価を行いました。

スマートフォンから得られる5つのタスクの成績データを使ってパーキンソン病患者と対照群の人を区別できるか、またタスクの成績がUPDRSの運動能力の評価と一致するかどうかを確認しました。

 

◆パーキンソン病の検出感度の平均は96.2%、特異度の平均は96.9%

研究参加者20人は研究期間中平均して1日2.7個のタスクを行っていました。

5つのタスクの成績がパーキンソン病患者と対照群の人を識別する精度は、感度が平均96.2%、特異度が平均96.9%でした。タスクの成績は、UPDRSの運動能力の評価を平均誤差1.26点の範囲で予測できました。

研究チームは「スマートフォンを通してパーキンソン病の症状を計測することは有用で、診断を補助する有効なツールになりうる」と主張しています。

 

パーキンソン病は早期に診断し治療開始することが非常に大切です。このようなツールの精度があがれば、早期発見を促す鍵になるかもしれません。

執筆者

佐々木 康治

参考文献

Detecting and monitoring the symptoms of Parkinson's disease using smartphones: A pilot study.

Parkinsonism & related disorders. 2015 Mar 7

[PMID: 25819808]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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