◆自宅でスマートフォンを使ってチェック
20人の参加者全員に、声、姿勢、歩行、手のタッピング、反応時間を評価できるアプリケーションをインストールしたスマートフォンを使用して、1か月の間自宅で1日4回、5つのタスクを行ってもらいました。
週に1回、専門医が遠隔診療で、運動能力などを見るパーキンソン病の症状の評価基準(UPDRS)から一部を除いた評価を行いました。
スマートフォンから得られる5つのタスクの成績データを使ってパーキンソン病患者と対照群の人を区別できるか、またタスクの成績がUPDRSの運動能力の評価と一致するかどうかを確認しました。
◆パーキンソン病の検出感度の平均は96.2%、特異度の平均は96.9%
研究参加者20人は研究期間中平均して1日2.7個のタスクを行っていました。
5つのタスクの成績がパーキンソン病患者と対照群の人を識別する精度は、感度が平均96.2%、特異度が平均96.9%でした。タスクの成績は、UPDRSの運動能力の評価を平均誤差1.26点の範囲で予測できました。
研究チームは「スマートフォンを通してパーキンソン病の症状を計測することは有用で、診断を補助する有効なツールになりうる」と主張しています。
パーキンソン病は早期に診断し治療開始することが非常に大切です。このようなツールの精度があがれば、早期発見を促す鍵になるかもしれません。
執筆者
Detecting and monitoring the symptoms of Parkinson's disease using smartphones: A pilot study.
Parkinsonism & related disorders. 2015 Mar 7
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。