年齢を重ねると男性のほうが女性に比べてパーキンソン病にかかりやすい

男性のほうが女性よりパーキンソン病にかかりやすいと言われています。最近の研究で年齢がこの男女比に大きな影響があるという結果が出ました。年齢の影響が今後の診断に大切な要素となってくるかもしれません。
◆年齢がパーキンソン病の男女比に影響
今までパーキンソン病における男女比と年齢の関係性はあまりよく知られていませんでした。そこで、年齢が男女比にどう影響しているかが統計に基づいて分析されました。
分析のため、フランス人口97%をカバーするフランス国民健康保険のデータベースから、パーキンソン病の
◆年齢を重ねるほど男性に多くなる
次の結果が得られました
50歳未満の男女の発症率は大きくかわらなかった(男女比<1.2, p>0.20)、80歳を超える場合だと男性は女性に比べて発症率が1.6倍以上(ptrend<0.001)だった。22件の発症率の研究(症例数14,126人、女性46%)のメタ分析は男女比が年齢と共に高くなることを確証した (10年ごとに0.26倍、ptrend=0.005)。
有病率においての男女比は50歳未満で1.3倍以下、75歳を超えると1.5倍以上だった (線形ptrend=0.006)。
発症率のデータ、有病率のデータ、過去の複数の研究結果、どのデータ分析においても年齢を重ねるごとに男女比が高くなっていました。つまり、男性の方が年齢を重ねるごとにパーキンソン病にかかる確率が女性に比べて大きくなるということです。
この研究結果から性別と年齢は医師によるパーキンソン病の診断において考察すべき重要な点になるかもしれません。
執筆者
Parkinson disease male-to-female ratios increase with age: French nationwide study and meta-analysis.
J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2015 Dec 23. [Epub ahead of print]
[PMID: 26701996]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。